【Jリーグ】今季もFC町田ゼルビアから目が離せない チームが意識していることは? (3ページ目)
【選手同士で厳しい要求】
そのなかで世代別日本代表でもキャプテンを務めた経験のある中山雄太は、とくに強いリーダーシップを感じさせるひとりだ。中山はチーム内でのコミュニケーションの少なさについて指摘する。
「ポジティブに言えば伸び代だけど、逆に言えば足りなすぎる。思ったことを言うのは海外では当たり前。それをしないのは、僕は勝つ気がないと感じる。そこは開幕までにより求めていきたい」
昨季、途中加入で膝を負傷し、2カ月以上の離脱を余儀なくされ、やりきれなかった。キャンプからスタートできる今季は、これくらいはやって当然だと言う。
中山はトレーニング中だけにとどまらず、ミーティングでも黒田監督の話しが途切れるタイミングで思ったことをよく発言する。それは「ほかの選手ももっと能動的な言動が増えたらいいと思う」というメッセージでもある。
もちろん、中山が意識するのは発言だけではない。「自分が一番いいプレーをして、その質で影響力を与えることで、発言にも重みが増してくる」と、プレーの質が伴うことでその言葉により説得力が出る。
そうした姿勢が支持を集めたのか、選手・スタッフの投票で決まる今季の副キャプテンに中山が就任。彼だけでなく、相馬勇紀もチームがダレそうなタイミングでの声がけや技術的な練習での高い要求の声が目立っている。中山や相馬ら中堅の代表クラスがリーダーとしての振る舞いを自覚することで、少しずつトレーニングでの声の質も変化しつつある。
逆に言えば町田がそうした環境、チームに変われるかどうかの岐路にあるのかもしれない。選手同士で厳しい要求ができる空気や環境が当たり前になれば、より強豪クラブへ近づくだろう。
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