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38歳の東口順昭が10代のチームメイトに熱視線「彼らのプレーを盗むことで、まだまだ成長できる」 (4ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa

 しかも、そういう立場のGKにはそう何度もチャンスを与えられないからこそ、出た試合で最大限のアピールをせなアカンというプレッシャーも感じましたしね。そこにしっかりと向き合っていくためにも、ギラギラした自分は絶対に必要やと思う。

 そういう意味では今、自分が感じている独特の緊張感というのも悪くないと思っているというか。若い時に、試合に絡めていなかった時期に感じていたような緊張感を、この歳になって再び味わうことで、もしかしたらこれまでとは違ったフレッシュさを自分に呼び起こせるかもしれないと期待しています(笑)」

 実際、取材を行なった2日前には、沖縄の地で水戸ホーリーホックと今シーズン初の練習試合を戦ったが、その際も試合前から驚くほど胸が高鳴るのを感じたそうだ。

「試合そのものが久しぶりやったのもあって、『練習試合やのに、こんな緊張していて大丈夫!?』ってくらい緊張してた(笑)。でも、それでいいと思う。試合って、絶対に慣れたらアカンし、こなすようになった時点でいいパフォーマンスはできなくなると思うから。なのでフレッシュに、ギラギラ、38歳、頑張りますよ」

 そんな彼について、19歳の張は「お父さんみたい」と親しみを寄せ、17歳の荒木は「全然歳の差は感じない。めちゃ歳上ですけど」と笑う。彼らにその言葉を許させているのも、東口の懐の深さゆえだろう。

 そんな若い彼らにも負けない"ギラギラ"を携えて、東口順昭の逆襲のシーズンが始まる。

(おわり)

東口順昭(ひがしぐち・まさあき)
1986年5月12日生まれ。大阪府出身。大学卒業後、2009年にアルビレックス新潟入り。2年目から出場機会を得る。2011年、日本代表に選出され、2014年にはジュニアユース時代に在籍していたガンバ大阪に移籍。以来、ケガに泣かされるシーズンもあったが、不動の守護神として活躍してきた。2018年ロシアW杯出場。国際Aマッチ出場8試合。

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