ガンバ大阪・東口順昭、1試合も出場できなかった昨シーズン「『引退』という言葉が勝手に浮かんできた」
ベテランプレーヤーの矜持
~彼らが「現役」にこだわるワケ(2025年版)
第1回:東口順昭(ガンバ大阪)/前編
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目の前に座った東口順昭に、今年で17年目に突入したキャリアについての話を聞かせてほしいと伝えた時の第一声だ。
「今年は30代最後の年やから、そのくらいは経つか。数字を言われないとなかなか自覚できひんけど」
彼の言葉を受けて、質問しようとしたその時、偶然にも遠藤保仁コーチが取材場所の横を通りかかる。2023シーズンをもって、26年にもわたるキャリアに終止符を打った日本サッカー界を代表するレジェンドだ。遠藤と軽く言葉を交わし、その背中を見送った東口は、こちらに向き直ると語気を強めた。
「上には上がいたわ。アカン、アカン。17年なんて、生ぬるい! まだまだ行くよ。行けるところまで」
◆ ◆ ◆
取材を行なったのは、沖縄キャンプも約半分の日程を消化しようとしていた1月23日。昨年の同時期は、右膝のリハビリのため、キャンプに参加することすらできなかった彼にとって、2年ぶりの沖縄キャンプだ。充実した時間を過ごしているという。
「自分のコンディションづくりもさることながら、チームが何をしようとしているのか、どんなリズムでトレーニングが進んでいくのか。新しく加入した選手の特徴は? みたいなところの理解を含めて、シーズンを戦っていくうえで"キャンプ"はめちゃめちゃ大事やな、と。この時期をチームと一緒に過ごせないと、心身両面でどこか乗っていけない気もしましたしね。だからこそ、みんなとキャンプを送れている今の時間をすごく大事に考えているし、自分自身も『ここから』という気持ちで過ごしています」
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