浦和レッズの大型補強は成功するか 2025シーズンの注目点を福田正博が解説 (2ページ目)
【サイドからの攻撃は魅力】
右サイドには、左利きでドリブルを仕掛けてゴールに迫るという、タイプの似た選手が3人いる。ファーストチョイスは金子拓郎だろう。左にマテウス・サヴィオがいて、右に金子がいたら、対戦相手にとっては守りにくいことこの上ない。
この金子のほかに、昨年11月に右膝半月板損傷の怪我で手術をした影響で出遅れているものの、スコルジャ監督からの評価の高い大久保智明がいて、さらに昨季は17試合でスタメン出場した前田直輝もいる。
これは右サイドに限ったことではないが、今季の浦和は攻撃的なポジションの選手が豊富にいる。選手層が厚いという見方ができる一方、シーズンが進むにつれて起用される選手が固まってくると、起用されない選手は不満を溜め込む。チームマネジメント面から考えれば、余剰戦力となった選手を整理することもスコルジャ監督には求められるだろう。その決断をいつ下すかも、今季の浦和にとってはテーマになる。
攻撃的なポジションの選手は豊富にいる一方、手薄な陣容なのがサイドバック(SB)だ。昨季左SBを務めた大畑歩夢(ルーヴェン)が移籍し、渡邊はボランチで起用されることになったなかで、浦和ユース出身で2024年頭にディナモ・ザグレブに移籍した荻原拓也の復帰が決まった。
右SBは昨夏にサガン鳥栖から獲得した長沼洋一が務めるだろう。長沼は右サイドでも左サイドでもMFでもSBでもプレーできるユーティリティさがある。バックアップが少ないのは不安だが、いざとなれば渡邊がプレーするという手もある。ポリバレントな選手が揃うだけにSBの選手層の薄さは不安視していない。
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