浦和レッズの大型補強は成功するか 2025シーズンの注目点を福田正博が解説
■2月14日に開幕する今季のJ1リーグで注目されるのが、大型補強を敢行した浦和レッズだ。どんな陣容が予想されるのか。飛躍のポイントは? OBの福田正博氏が解説する。
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【ポイントはマテウス・サヴィオ】
今回は大型補強をした浦和レッズについて触れたい。今オフはMFマテウス・サヴィオ(柏レイソル)、MF松本泰志(サンフレッチェ広島)、MF金子拓郎(コルトレイク)、FW長倉幹樹(アルビレックス新潟)、DFダニーロ・ボザ(ECジュベントゥージ)などを獲得した。足りないポジションに的確に人材を補強し、優勝を狙えるメンバーは揃ったと言える。
マテウス・サヴィオ(写真左)をはじめとした浦和レッズの新加入選手たち photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る 浦和のサッカーは守備時に4-4-2、攻撃時には4-2-3-1に変化するが、ポイントはマテウス・サヴィオだろう。彼は攻守において貢献度が高く、ハードワークを厭わず、グループとしてサッカーができる選手。そのうえで2019年から柏でプレーしてきて、Jリーグを熟知している強みがある。
浦和に移籍したからといって基本的に柏時代と変わるわけではないが、ポジションは左サイドだけではなく、トップ下での起用も想定される。左サイドには原口元気や松尾佑介もいるため、対戦相手やチーム状況に応じて柔軟なメンバー構成ができるだろう。
そのトップ下で期待されているのが松本泰志だ。広島では豊富な運動量で2列目でも3列目からでも存在感を示したが、浦和ではボランチとしてよりも、2列目のトップ下としての起用がメインになるのではと思う。
マチェイ・スコルジャ監督がキャンプでボランチの軸に考えていそうだったのが、渡邊凌磨だ。昨季はトップ下やボランチのほかにサイドバックでも起用されたが、このプレシーズンを見た限りだとボランチがもっともハマっていた。ただ、渡邊はゴール前でのラストパスの精度に秀でるので、トップ下での起用も想定される。シーズン序盤は渡邊を軸にしながら、安居海渡やサミュエル・グスタフソンを組み合わせながらバランスを取っていくのではないか。
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著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。