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高校サッカー選手権の戦い方はこれ 流通経済大柏の「負けないサッカー」は派手じゃないけど強い (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【涙を呑んだ7年前のリベンジなるか】

 1点リードで迎えた後半は、流経大柏のサイド攻撃が機能し、とりわけ右から多くのチャンスが生まれている。しかし、追加点を奪えないまま時間が過ぎると、終盤には逆にいくつかのピンチがあった。そこで目を引いたのは、流経大柏の選手たちの鬼気迫るプレーである。

 カウンター阻止のために長い距離を走って自陣に戻り、相手のシュートに対しては躊躇(ちゅうちょ)なく身体を張る。一歩でも、半歩でも身体を寄せることで、相手に自由を与えない。そのディテールへのこだわりが、彼らの強さの理由だろう。快進撃を続けてきた東海大相模も、流経大柏の「負けないサッカー」に力及ばなかった。

 決勝の相手は前橋育英(群馬)に決まった。DF関川郁万(現・鹿島アントラーズ)らを擁しながら、終了間際の失点で涙を呑んだ7年前の決勝のリベンジマッチとなる。

 今季のプレミアの対戦でも1勝1敗と互角の相手に対し、流経大柏は「負けないサッカー」を貫くだろう。その先には2007年大会以来、二度目の頂点が待っている。

著者プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

【写真】第103回全国高校サッカー選手権大会の注目選手たち

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