梅崎司は京都サンガのコーチから監督を目指す「シャムスカ、ミシャ...指導者の方たちの教えは金言ばかり」
引退インタビュー
梅崎司(大分トリニータ)後編
◆梅崎司・前編>>引退決断のきっかけは曺貴裁監督の「心に刺さる言葉」
◆梅崎司・中編>>「埼玉スタジアムが揺れる感覚は、ほかには代えがたい瞬間」
大分トリニータに復帰して過ごした3年半、梅崎司はいち選手としてだけでなく、チームを牽引するリーダーであろうとした。
その背景には、2018年に浦和レッズから移籍した湘南ベルマーレでの出会いと日々があった。当時・曺貴裁(チョウ・キジェ/京都サンガF.C.監督)監督から求められた役割に取り組み、また選手としての輝きを取り戻した経験は大きな財産になっている。
そして指導者として、次のステージに進む彼の今後にも生きていく。自分と向き合い続けてきたプロサッカー選手としての20年を振り返りつつ、抱く未来に目を向けてもらった。
※ ※ ※ ※ ※
梅崎司の笑顔でセカンドキャリアの道を進む photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る── 大分トリニータで過ごした3年半では、物事を考える単位が「個から組織」に変わったとのことですが、そのきっかけは2018年に移籍した湘南ベルマーレにあったのでしょうか?
「そう考えられるようになったのは、湘南で曺貴裁さんに出会えたことが大きかったです。だからこそ、自分は変わることができました。
10年間を過ごした浦和レッズでは、主力ではありつつも、スタメンとして絶対的な存在ではなく、自分のなかにもそこに対する劣等感がずっとありました。チームも、リーグ優勝に手が届きそうなところにいるのに、毎回、届かなかった。
それに対して、自分なりに思うことはあったのに、その劣等感からチームに対して発言することができなかった。そんな自分が嫌だったし、ものすごく後悔していたんです。
そうしたタイミングで湘南からオファーをもらい、当時監督だった曺さんからはリーダーになることを求められました。自分自身でも殻を破らなければいけないと決意したことで、変われたところ、得られたことがたくさんあったなと」
1 / 4
著者プロフィール
原田大輔 (はらだ・だいすけ)
スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。