J1リーグ終盤戦、頂点に立つチームはどこだ! 識者が大胆予想 (2ページ目)

現在7連勝中の広島には勢いがあるが...
本命は神戸。井出遥也が連覇へのキーマン

杉山茂樹氏(スポーツライター)

本命=ヴィッセル神戸
対抗=サンフレッチェ広島
穴=鹿島アントラーズ

 今現在の調子で言えば、サンフレッチェ広島。昨季からの流れで言えば、ヴィッセル神戸。Jリーグ史におけるヒエラルキーに従えば、鹿島アントラーズ。さすがに、FC町田ゼルビアは難しいだろう。とすれば、ラスト9節は上記3チームの三巴になる。

 広島は現在7連勝中。得点11でチームの稼ぎ頭だったFW大橋祐紀がイングランド2部のブラックバーンに移籍したことで攻撃力ダウンが心配されたが、MF川辺駿、そしてMFトルガイ・アルスランがその穴を埋めている。

 特に目を引いたのは、アルスランが第29節のFC東京戦でマークしたハットトリックで、PKを除く2ゴールは偶然性の低い個人能力の高さ感じさせる、Jリーグでは最高レベルの内容だった。終盤に向けて最も目を凝らしたい選手になる。広島と言えば安定性だが、現在は先頭を走るに足りる勢いもある。

 だが、本命は神戸だ。昨季の成功体験が、広島の勢いをわずかに上回ると見る。よく言えば、シンプル。その球離れの速いサッカーにあって、キープレーヤーとなるのがMF井出遥也だ。FW大迫勇也、FW武藤嘉紀、MF山口蛍、MF扇原貴宏ら元日本代表の看板選手と比較した時、井出の知名度は全国的に高いとは言えないが、その技巧的プレーは今やアクセント役として外せない存在になっている。連覇を狙うキーマンだと見る。

 鹿島は順番論でいくならば、優勝候補の本命だった。以前から横浜F・マリノス、川崎フロンターレの次は鹿島だと見ていたが、昨季は5位に終わり、今季も現状4位と今一歩、はじけることができずにいる。首位広島とは1試合未消化の現状で勝ち点7差があるが、次節の直接対決で勝利すれば状況は変わる。勝ち点差は大幅に詰まる。逆に敗れればその瞬間、終焉を迎える。

 広島は鹿島戦の次はここに来て昇り調子の横浜FM戦だ。近々に大一番が2試合続くことも、今この時点で広島を本命に推せない理由だ。

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