浦和レッズDFホイブラーテンが語るJリーグとサポーター 鳥肌が立った瞬間とは? (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi

【Jリーグでもっとも苦しめられた相手は?】

 加えて、より組織力を重んじる傾向にあるノルウェーのリーグと比べると、素早いアタッカーが積極的に勝負を挑んでくるJリーグでは、試合のリズムがかなり違うという。また彼の母国では気候条件により芝生がうまく育たないため、1部リーグも人工芝のピッチで行なわれている。その差もあるだろう。

「僕が思うに、J1リーグでは2%でもパフォーマンスを落としてしまえば、敗れてしまう。いや、1%でもいい。つまり、常に最高のプレーをしなければ、隙をつかれて結果を残せなくなる。チーム間の実力差が小さいから、どんな相手にも気は抜けない。例えば、僕らは少し前に、リーグ最下位の(北海道コンサドーレ)札幌とホームで対戦し、撃ち合いの末に3-4で敗れてしまった。前半の僕らはまったくダメだった」

 世界でもっとも予想が難しい1部リーグのひとつ――Jリーグのこの評判は世界的にも認知されつつあり、このシリーズでインタビューした外国籍選手たちも口を揃える。事実、現在のJ1で首位に立っているのは、今季が1部リーグ初挑戦のFC町田ゼルビアだ。

「町田は称賛されるべきだよ。まるで2015-16シーズンにプレミアリーグを制したレスター・シティ(イングランド)みたいだ。両チームには、プレースタイルにも通じるところがあると思う」とホイブラーテンは言うが、レスターは以前に1部リーグを経験していた。このまま町田が優勝すれば、世界でも稀に見る偉業となる。

「このような状況は、リーグ全体のレベルを底上げすると思うし、観ている人にとっても面白いはずだ」

 そう話すホイブラーテンがこれまでにJリーグで対戦した相手で、もっとも苦しめられたのは誰か。

「いい質問だね。うーん、ここのリーグにはいいアタッカーが多いけど、ひとりだけ挙げるなら、鹿島アントラーズの鈴木優磨かな。(今年6月に行なわれた)ホームゲームでは、前半のうちに2ゴールも決められてしまった。パワーとテクニックを高次元に兼ね備え、ボックス内で巧みに仕留めたかと思えば、降りてきて組み立てを円滑にする。とてもいい選手だよ」

――チームではどこだろう?

「昨季王者のヴィッセル神戸はもちろんだけど、さっきも言ったように、どんな相手も厄介だよ。だからいくら調子がよくても、相手を侮ることなく、敬意を持って戦わなくてはならない」

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