38歳・水野晃樹「ベンチ外になった時に、すっげぇ悔しくて...」 だからこそJ3でプレーする今も「まだまだ戦えると思った」 (4ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa

 でも、だからこそやるべきことはまだまだある。若い選手の"当たり前"の基準を上げるとか、"慣れ"を作らないのも、僕らベテランの役目ですしね。今の順位にいる=全然足りていないということを自分に突きつけながら、残りのシーズンもしっかり戦いきろうと思います」

 今も昔も変わっていないというサッカーの楽しさに魅せられながら。

「僕は昔から点を取ることより、アシストするのが好きなんです。アシストって自分の意思だけでは成立しないじゃないですか? 自分のイメージと周りの選手のイメージが合致して初めて得点になり、アシストになる。その瞬間が一番楽しいし、一番うれしい」

 その一瞬に出会うために、彼は今も"新しい水野晃樹"を追い求めて、ボールを蹴る。練習着がボロボロになっても、戦うステージが変わってもいい。少々無理をして、チームを盛り上げるのもお任せあれ、だ。

「それが今の僕だから」

(おわり)

水野晃樹(みずの・こうき)
1985年9月6日生まれ。静岡県出身。清水商高卒業後、ジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド千葉)に入団。すぐに頭角を現して、チャンスメーカーとして活躍。2005年にはU-20日本代表に選出されてワールドユース選手権に出場。2007年には日本代表にも召集された。そして2008年1月、スコットランドの名門セルティックに移籍。2010年に帰国して柏レイソル入り。以降、ヴァンフォーレ甲府、ジェフ千葉、ベガルタ仙台、サガン鳥栖、ロアッソ熊本、SC相模原、はやぶさイレブンでプレー。2023年にいわてグルージャ盛岡に加入した。

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