中村憲剛はなぜS級ライセンス研修でカナダへ? 2年後のW杯開催地で見た新世界 (5ページ目)
【あのクオリティで破格のサラリーキャップ】
── 近い将来、カナダ人選手がJリーグにやってくる可能性もありそうですか。
高尾「私もガクもカナダのサッカーを今まで見てきましたけど、どれくらいのレベルにあるのかわからない部分がありました。でも今回、憲剛さんがそのような感想を持ってくれたのはありがたいですし、憲剛さんの意見なら日本の人たちも信用するじゃないですか。
最初の試合を一緒に見た時に、憲剛さんが社交辞令じゃなく、興奮気味に『面白い選手がいっぱいいるじゃん』って言ってくれたのは、本当にうれしかったですね」
中村「いや、本当に面白かったよ」
2週間半の研修はあっという間に終わった photo by Pacific FCこの記事に関連する写真を見る高尾「カナダはサラリーキャップが採用されていて、チーム登録23人で1億2000万円までという規定があるんですけど、パシフィックの場合は1億円って言っていましたね」
中村「あのクオリティの選手たちでそのサラリーキャップは破格ですよ。その年俸ならJリーグにも連れてきやすいと思うんですよね。実際に日本に行きたいっていう選手も何人かいましたし。帰国してからいろんなサッカー関係者の方たちにその話はしています。
日本からすれば、金額的に大金をはたいて獲得する選手よりもハードルは下がりますし、向こうからすれば、日本でチャレンジできる。来る方にも、呼ぶ方にもチャンスは広がりそうだなと。年俸を聞いた時に、何人か連れていきたいなって思いましたから」
── 先ほど指導はされていないと言っていましたけど、選手からアドバイスを求められることはなかったですか?
中村「ありました。特に中盤の選手とはよくコミュニケーションを取りましたね。片言の英語でコミュニケーションを取りながら、大事なことは高尾に通訳してもらって、伝えるようにしていました」
高尾「1試合目が終わったあとに、途中で代えられた中盤の選手がすぐにアドバイスを求めに来ましたよね」
── それで次の試合に、その選手がすごく活躍したとか?
中村「いや、途中から出てケガをしてしまって......。でも、その次の試合にメンバー外になったことで、その選手と一緒にスタンドで試合を見たんですよ。そこでかなり話すことができました」
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