中村憲剛はなぜS級ライセンス研修でカナダへ? 2年後のW杯開催地で見た新世界 (4ページ目)
【Jリーグでも通用しそうな選手が何人もいた】
── 基本的にはそのチームの流れを見て、インプットする作業の繰り返しですか。
中村「そうです。だから、ひたすらメモしていました。スタッフミーティングもそうだし、トレーニングもそうだし、トレーニング中のミーティングもそう。気になったことをとにかく書き込んでいました」
── トレーニングや試合を見て感じたカナダのサッカーのレベルは、どういったものでしたか。
中村「監督のジェイミーはプロ選手としての経歴はなかったんですが、勉強熱心で自分の確固たるスタイル、プレーモデルを持っていました。コーチのアルマンダはベンフィカやビジャレアルなどで右サイドバックとしてプレーしていた選手で、彼が現役時代に接してきた多くの監督の指導論や指導法を指導者として活用しながら指導しています。
攻撃の部分は監督で、守備はアルマンダが見るようなやり方だったんですけど、トレーニングの積み上げ方だったり、選手たちへの落とし込み方だったり、とても勉強になりました。彼ら自身も最先端の指導法をキャッチアップしながら、チームに落とし込んでいるなと感じました。
ただ、これは監督が言っていたんですが、カナダはプロリーグとしての歴史が浅いので、まだまだ選手たちにアマチュアっぽさが抜けていないところがあると。メンタルのところとか考え方の部分では、まだまだ成熟されていない発展途上であるということでした」
── 選手のプレー自体はどうですか?
中村「実際にピッチでのパフォーマンスを見たら、いい意味で驚かされました。フィジカル能力の高い選手たちが多くて、すごくしなやかなフォワードがいたり、足の速いサイドバックがいたり、強靭なセンターバックがいたり、タフに無骨に戦えるボランチもいました。フィジカルも強い上に技術的にもしっかりしている選手が多かったですね。それぞれのキャラクターがとても立っていました。
どのトレーニングでもしっかり盛り上げながらやるし、パス&コントロールのトレーニングでも、しっかりと予備動作を入れたり、そういう真面目な部分もあって、いろんな発見がありましたね。パシフィックと対戦した他クラブの選手も含めて、Jリーグでも通用しそうな選手が何人もいました」
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