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中村憲剛が語ったカナダ研修での驚き「フロンターレでもそこまではできなかった」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

中村憲剛がS級ライセンス取得の海外研修先に
「カナダ」を選んだ理由(後編)

◆中村憲剛「なぜカナダへ?」前編>>「2年後のワールドカップ開催地で見た新世界」

 JFA(日本サッカー協会)公認のS級ライセンス取得のため、中村憲剛氏は海外研修としてカナダに2週間半ほど滞在した。そこでお世話になったのが、元川崎フロンターレ・スタッフの高尾真人氏と田代楽(ガク)氏。カナダのサッカー文化をよく知るふたりだ。

 朝から晩までサッカー漬けの日々を送ったパシフィックFCでの研修を終えて、憲剛氏は何を見て感じ、どんなものを持ち帰ってきたのか。

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パシフィックFCのジェイミー監督とツーショット photo by Pacific FCパシフィックFCのジェイミー監督とツーショット photo by Pacific FCこの記事に関連する写真を見る── カナダ国内では、どれくらいサッカーが盛り上がっているのでしょうか。

高尾「2019年に始まった時から見ているんですけど、やっぱりサラリーキャップがあるので、どうしても若手を育成するリーグという色が強いですよね。原石を磨いて、ヨーロッパやMLSに供給していくという構造になっているんですけど、そのなかでは先ほど憲剛さんにも言っていただいたように面白いタレントがたくさんいるので、そういう選手を見出す醍醐味はあるかなと思います。観客数は、だいたいパシフィックで平均3000〜4000人くらいかな」

田代「そうですね。スタジアムはマックスで6000人とうたってはいるんですけど、4500人くらい入るとパンパンになるっていう、ちょっとよくわかんない構造なんですけど(笑)」

高尾「あと、カナダは国の面積が広いですけど、そのなかに8チームしかないので、アウェーの遠征費がそうとうかかるんです。人件費と遠征費がほぼ同じくらいになるらしいですね。ただ、まだまだいろんな改善点があるとはいえ、リーグとしての価値は少しずつ上がっていっているのは間違いないと思います」

中村「サポーターと選手の距離感が、本当に近いんですよ。試合が終わった直後、ロッカールームに戻る前にゴール裏に来る子どもたちに、選手が普通にサインをしてあげたり。さすがにフロンターレでもそこまではできなかったです(笑)。あと試合中に、ガクがゴール裏でカメラを構えていて、ゴールが入った瞬間に選手たちが喜んでいるところに入っていくんですよ。いちスタッフが、そんなことやっちゃうの?って(笑)」

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著者プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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