中村憲剛が語ったカナダ研修での驚き「フロンターレでもそこまではできなかった」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【カナダのサッカー熱は間違いなく高まっている】

田代「ピッチの中まで入りますからね」

中村「それはダメだろうと思うんですけど、その映像がすごくよかったりするんですよね。当たり前ですがリアリティが半端じゃなかった(笑)」

田代「本当はダメなんですけど、やっぱりそこは北米だなと思うのが、見栄えがいいならアリになっちゃう。ルールとしてはダメなんですけど、今度からは特別な時だけ入っていいことにしよう、みたいな(笑)。そういう意思決定が柔軟に行なわれるのが、いいところですね」

中村「その柔軟性がいいよ。本当に。日本だったら、絶対に怒られる(笑)」

田代「こっちは、いいものはいい、となるんです。そもそも、だってサッカーなんだから、みたいな意識が根底にあるんですよ。サッカーだからしょうがないじゃん、みたいなが考えがみんなのなかで共通理解としてあるのは、もしかしたら南米が近いから、というのもあるかもしれないですね。移民系も多いですしラテン系もいるので、日本とはまったく違う文化があって、僕はすごく好きです」

── 国民のサッカー熱も高まっている感じですか。

田代「もともと女子サッカーは人気ですよね。クリスティン・シンクレアを筆頭にスター選手がいるので、やっぱり女子サッカーの代表戦はスタジアムが埋まりますね」

高尾「男子も前回のワールドカップに出場できたことが大きかったなと思います。36年ぶりですからね。なんとなく、(サッカーが盛り上がっていく過程が)日本と似ているんですよね。日本は1993年にJリーグが立ち上がって、1998年に初めてワールドカップに出て、2002年に自国開催じゃないですか」

中村「たしかに」

高尾「以前、調べたんですけど、日本サッカーの発展には、やっぱりその3つの出来事が大きかったらしいんですよ。特に少年サッカーの競技人口が劇的に増えたのが、そのタイミングなんですね。

 カナダも2019年にリーグができて、2022年のワールドカップは初めてではないですけど、36年ぶりに出場できた。それで2026年に自国でワールドカップが開かれる。日本と同じような現象が起きると思いますし、サッカー熱は間違いなく高まっている感覚はあります」

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