欧州のサッカーデータサイト「トランスファーマルクト」のスタッフが注目する次に来る日本人選手は? (3ページ目)
【日本通の3人の推し選手は?】
――そうだと思います。では、最後にみなさんが注目している日本人選手を挙げていただけますか。
シュテファン リトアニアのトップクラブ、ジャルギリス・ヴィルニュスの辛島侑烈。最初は苦労しながらも、今ではアンカーの主力となり、引き続きFCへゲルマン時代のようなパフォーマンスができている。本当はAリーガよりもレベルの高いリーグでもやっていけるはず。セルティックの前田大然にも注目している。サイドであれほどエネルギッシュに動き回れるのはいい選手だね。
日本国内の選手だと、柏レイソルの細谷真大。これからいかに成熟していくのか、楽しみです。数年前に同じ質問をされていたら、本間至恩(クラブ・ブルッヘ)と三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)と答えていたと思う。
トビアス 僕が面白いと思うのは、欧州5大リーグ以外でプレーする選手たち。特にベルギー、オランダ、ポルトガルは、日本人選手のアピールの場になることが多い。ポルトガルのジル・ヴィセンテで4シーズン目を迎えている藤本寛也は、リーガで3得点7アシストと過去最高の記録を残している。
オランダのAZで5シーズン目の菅原由勢も、若い(23歳)のに、欧州での経歴が長い。現行の契約は2025年に満了するので、そろそろステップアップの時期かもしれない。
それから、我が広島の満田誠が欧州に来るのを待っている。攻撃に特長のある選手だと思っているが、現在は守備的MFを任されている。少し驚きだけど、ミヒャエル・スキッベ監督には何か考えがあるのだろう。広島はFCケルンと育成業務提携をしているから、ドイツに来てくれたらいいのだが。
ティベリウス 浅野拓磨。ブンデスリーガの中位以下のチームには、もったいないと感じる選手だ。もっと早く、ずっと上の順位にいるクラブで見てみたかった。残念ながらすでに29歳。今季でボーフムとの契約が切れるので、どうなるのか注目している。
それから、U-23日本代表のFW内野航太郎は、U-23アジアカップで好印象を残した。いつプロになるのか。その日が待ち遠しいよ。
著者プロフィール
井川洋一 (いがわ・よういち)
スポーツライター、編集者、翻訳者、コーディネーター。学生時代にニューヨークで写真を学び、現地の情報誌でキャリアを歩み始める。帰国後、『サッカーダイジェスト』で記者兼編集者を務める間に英『PA Sport』通信から誘われ、香港へ転職。『UEFA.com日本語版』の編集責任者を7年間務めた。欧州や南米、アフリカなど世界中に幅広いネットワークを持ち、現在は様々なメディアに寄稿する。1978年、福岡県生まれ。
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