鹿島初の欧州出身選手・チャヴリッチはなぜ日本へ「確信があった。それはもはや愛」
鹿島アントラーズ初のヨーロッパ出身選手
アレクサンダル・チャヴリッチ(前編)
ジーコを筆頭に、鹿島アントラーズは多くのブラジル人選手がチームを牽引し、数々のタイトルを獲得してきた伝統がある。そうした歴史のあるクラブに今季、初のヨーロッパ出身選手として加わり、新風を吹かせているのがFWアレクサンダル・チャヴリッチ(セルビア/29歳)だ。
「キャリアの通過点にするつもりで来たわけではなく、自分はアントラーズで何かを勝ち獲るために来た」
そう力強く語るストライカーは、J1リーグ開幕戦でさっそく初ゴールを決めるなど、大きな期待を抱かせている。そのチャヴリッチが鹿島への移籍を決めた理由、自身の歩み、そして期待とプレッシャーに応える決意を聞かせてくれた。
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チャヴリッチは鹿島初のヨーロッパ出身選手 photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る── 来日から2カ月が経ち、茨城・鹿嶋での生活には慣れましたか?
「だいぶ慣れました。もともと自分は静かな場所で暮らすのが好きな性格なので、鹿嶋での生活はとても気に入っています。
鹿嶋は自然が豊かで、近くには海もある。それこそ、鹿島神宮は早くもお気に入りのスポットです。チームのスタッフとも一緒に行きましたが、ひとりで行くこともあるくらい。まだ日本で生活して3カ月ほどですが、すでに5回以上は足を運んでいると思います」
── 鹿島アントラーズというクラブの印象はいかがですか?
「アントラーズはファン・サポーターの人数も多く、クラブとしてしっかりとオーガナイズされています。僕が今までプレーしてきたなかでも、一番のビッグクラブ。これほど多くのスタッフが働いているクラブを、僕は見たことがありませんでしたから。
そのうえでアントラーズは、クラブに関わっているひとりひとりが、タイトルを獲得することに貪欲な姿勢を持っています。日々の練習においても、そうした空気感はひしひしと伝わってくるので、シーズンが終わったときに、クラブの人たちが目指している形で締めくくることができればと思っています」
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プロフィール
原田大輔 (はらだ・だいすけ)
スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。