オッツェは若き日本人を次々と見つける敏腕スカウト 獲得したかったのは「インテリジェンスのある遠藤航」 (2ページ目)
【オッツェはすぐ長田澪の獲得に動いた】
2018年にブレーメンのユースチームに加入した長田は、順調に日々成長を遂げている。今シーズンは経験を積むため、オランダリーグ「エールディビジ」に所属するフォレンダムにレンタル移籍した。
今季開幕前、長田には「第3GKとしてトップチームに昇格する」という選択肢もあった。だが、第3GKとなるとブンデスリーガでベンチ入りする可能性は低く、トップチームで練習しても試合はセカンドチームで臨むことになる。ブレーメンのセカンドチームは今季5部リーグを戦っており、さすがにレベルが下がる。そんな理由もあり、長田はフォレンダムへの移籍を決断した。
Jリーグでの経験が今の仕事にも役立っているという photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る フォレンダムは現在、エールディビジで降格圏と苦しい立場にいる。だが、そんな厳しい状況から経験を積んでブレーメンに戻ってきてくれればと、オッツェは願っている。
「ミオは今、やるべきことがいっぱいのチームにいる。何回もネットからボールを拾わなければいけないだろう。でも、負けてばかりのチームで『負ける』という貴重な経験を積めているんです」
来季、長田のブレーメン復帰は決まっているという。
「今シーズンが終わったら、ブレーメンに帰ってくることは決まっています。少なくとも2番手のキーパーにはなるし、もしかしたら1番手になるかもしれません。どうなるかは彼次第。何も特別なことが起きなければ、2番手か1番手として来季を迎えることになるはずです」
長田は現在、年齢を重ねるごとにドイツの各世代別代表にも選出されている。しかし昨年12月には、日本代表の合宿にも顔を出した。
実は、オッツェが日本代表サイドにアドバイスをしたのだという。
「影山(雅永JFAユース育成ダイレクター/オッツェとはジェフ時代の同僚)に『いいキーパーがいるから見てみろ』って教えたことがあるんですよ。最終的にドイツか日本のどっちの代表を選ぶかは、ミオが決めること。いつかは決めなきゃいけないですよね」
ただ、ブレーメンのスタッフとしては思うところもある。
「ブレーメンの人間としては、ドイツを選んでくれたら代表戦のたびに長い距離を移動しなくて済むからありがたい、という思いはありますよ。でも、まずは両方の代表から求められるようにならないといけないですね」
2 / 4