横浜FMの覇権奪還のキーマン渡辺皓太が目指すのは(イニエスタ+シャビ+カンテ)÷2 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【今季は得点という結果も求められる】

――今季はハリー・キューウェル監督に指揮官が代わり、新たなスタートになりますが、キャンプはどのような時間でした?

 アタッキングフットボールというベースは変わらないですけど、監督が代わったことでやり方がだいぶ変わって、キャンプはその落とし込みの期間でした。ACLと開幕戦の3試合では正直うまくいかないところも結構出てきていて、まだ新しいやり方に徐々にフィットしていく段階。シーズンが進むにつれて右肩上がりでよくなっていければいいと思います。

――これまで横浜FMはダブルボランチでしたが、今季はアンカーとインサイドハーフという形を取っていて、渡辺選手のポジションもひとつ前に上がりました。そのなかで役割や求められるものはどのように変化していますか?

 昨季はチームのバランスを取る役割のなかで、目立たないプレーでも自分がやることで周りの選手がやりやすいと思ってもらえるようなプレーを目指していました。

 今季はポジションがひとつ前になったことで、今までよりもボールを触る回数は減ってしまうかもしれないですけど、より攻撃的な仕事が増えると思います。前線の選手を追い越すランニングだったり、ゴール前に入っていく動きだったり、それが増えることで得点という結果も求められると思います。

 今まではゲームを作る部分でチームに貢献しようと思っていて、得点も(J1通算)4点しか取れていないですけど、今年はそういう新しいところにチャレンジできるので、すごく楽しみですね。

――そうなると今季は5点くらい取れたら、それ以降周囲の目も変わりそうですね。

 じゃあ今年の目標は5得点にしておきます(笑)。

――その攻撃的な仕事の部分では、セルヴェット(スイス)へ移籍した西村拓真選手の動きは参考になりますか?

 もちろん。ゴール前への入り方はFW的な感覚を持っていたし、ライン間で受ける時もいつもいい位置に立っていました。そこで受けてからゴール前へ入っていくのも本当にうまかったので、昨季とはポジションやフォーメーションがちょっと違いますけど、参考にしたいと思いますね。

――ひとつ前に上がったことで、アンデルソン・ロペス選手へのサポートの意識も求められますね。

 そうですね。ロペスからも「なるべく近くにいてくれ」と言われているので、彼をしっかりとサポートして、彼にゴール前でのプレーに専念してもらうことが自分の仕事だと思っています。

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