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横浜FMの覇権奪還のキーマン渡辺皓太が目指すのは(イニエスタ+シャビ+カンテ)÷2 (5ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【(イニエスタ+シャビ+カンテ)÷2】

――渡辺選手は自身のプレースタイルや持ち味についてはどのように考えているのですか?

 攻守にチームのために走りたい思いがあって、そこでの運動量とアグレッシブさ、質という面で相手を上回りたいと思ってプレーしています。

――そういったプレーを意識するなかで、参考にされている選手はいますか?

 参考にしている選手はとくにいないんですけど、好きな選手はいますね。

――たとえば?

 バルセロナ時代のアンドレス・イニエスタとシャビ、それとチェルシーにいたエンゴロ・カンテの3選手が好きですね。だから彼らを足して2で割ったような、攻撃センスがあって守備でもアグレッシブにプレーできるような選手になりたいと思っています。

――渡辺選手はまさにそんなイメージの選手だと思います。日本代表への意識はいかがですか?

 もちろん、サッカー選手であれば全員が目標にする場所だと思います。でもまずはF・マリノスで結果を残さなければいけない。そこを最優先に考えて、結果を出せればおのずと代表というものも近づいてくると思っています。

 だからそこまで強く意識せずに、しっかりと足元を見てF・マリノスでの結果にフォーカスして頑張りたいと思います。

――昨年末に契約更新をされました。選択肢としては海外移籍もあったかもしれませんが、更新したその思いも聞かせていただけますか?

 はじめにも言いましたが、昨季はたくさん試合に出させてもらえながら2位という本当に悔しい結果でした。来年は絶対に取り返さなきゃいけない、リーグ優勝したいという思いがあって、すぐに契約を更新したいと思いましたね。

 だからF・マリノスのためにプレーして、F・マリノスを優勝させたい。今年はそうできればいいなと思います。

――では最後にその覇権奪還に向けて意気込みを聞かせてください。

 おっしゃるとおり、覇権奪還が今季の目標です。まずはそこに向けて努力して、チームの力になりたいと思っています。

 それだけではなくて、ACLを取れるチャンスが残っています。Jリーグ勢でそのチャンスがあるのはF・マリノスだけで、まだこのクラブが取ったことがないタイトル。だからそのチャンスをものにして、F・マリノスにもうひとつ歴史を作りたいと思います。

渡辺皓太 
わたなべ・こうた/1998年10月18日生まれ。神奈川県川崎市出身。東京ヴェルディのアカデミーで育ち、高校3年時にトップチームデビュー。3シーズン半プレーした後、2019年夏に横浜F・マリノスへ移籍。運動量豊富なMFとして近年のチームのタイトル獲得に貢献。2023年シーズンはリーグ全試合に出場した。ユース時代から年代別の日本代表に選ばれ、A代表には2019年と2021年の2度招集されているが、まだ出場機会はない。

著者プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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