毎熊晟矢の可能性は? Jリーグから欧州へ飛躍が期待できるディフェンダー5人 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 川崎所属でアカデミー出身の高井幸大(19歳)は、テクニカルでプレーセンスを感じさせる。肉体的に恵まれており、足元の技術があって、視野も広いだけに、大化けする可能性がある。昨年のU-20ワールドカップでは守りに入った時の弱さを露呈し、「ディフェンダー」の硬質さが課題だったが、今年のゼロックススーパーカップ、神戸戦では大迫勇也を完封していた。

 北海道コンサドーレ札幌の中村桐耶(23歳)も化ける可能性がある。左利きの選手の利点を生かし、ピッチで人とは違うリズムを出すことができる。それが守りの面でマイナスに作用することもあるが、守りから攻めにつながるところでは確実にアドバンテージを取れる。体躯にも恵まれ、走力も高く、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の采配で力が最大限に引き出されたら......。

 最後に、G大阪の中野伸哉(20歳)の再生に期待したい。17歳の頃の彼は「サッカーそのもの」と言えるほどの才能の塊だった。左利きだが両足を操り、常に相手の逆を取れるクレバーさを持ち、基本的な俊敏さが並外れており、しなやかさと爆発力が同居していた。そのセンスは"神隠し"にあったように消えたが、ピッチのなかでもう一回、輝きを取り戻してほしい。
(つづく)

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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