暗転し始めた日本代表においても増す、大迫勇也の必要性 神戸の連覇へその仕上がりは? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 しかしながら、長いシーズンはまだ始まったばかり。J1のリーグ戦に関していえば、まだ始まってもいないのである。

 今年5月に34歳になる大迫が、いきなりシーズン初戦からキレキレの動きを見せていたら、むしろ、これでシーズンの最後まで持つのだろうかと心配になってしまう。シーズンを通して攻撃の軸として戦い続けてもらうためには、ここから徐々にギアを上げていくくらいでちょうどいいのかもしれない。

 連覇を狙う一方で、AFCチャンピオンズリーグという別の戦いも加わる今季の神戸にとって、それほど大迫という存在は必要不可欠なものなのだ。

 今季、神戸に新加入したFW宮代大聖も、先輩ストライカーへの信頼を口にするひとりだ。川崎から移籍してきた23歳は、「サコくん(大迫)の近くでいい関係を作ることは、もっとできる感覚がある」と言い、こう続ける。

「(自分が大迫に)合わせようとするんじゃなくて、自分は自由にやって、あっち(大迫)が合わせてくれる感覚のほうがいいと思う。自分がやりたいように、いいポジションをとって、そのなかで(大迫を)見ながらやれたらいい」

 また、大迫のパフォーマンスが気になるという点においては、神戸だけでなく、アジアカップでの惨敗で、にわかに周囲のムードが暗転し始めた日本代表も同じなのかもしれない。

 大迫の日本代表入りについては、すでに森保一監督の構想外になっているのだとか、吉田麻也らと同様、ベテランだから今は選ばれていないだけだとか、さまざまな憶測が飛び交っているが、昨季の大迫を見る限り、J1で他を寄せつけないプレーを見せていることだけは間違いない。

 いつまでも大迫頼みでいいのか、という問題はあるにしても、実力的に言えば、日本代表に選ばれても何ら不思議はない選手なのである。

 現在の日本代表のFW陣は、上田綺世をはじめとする20代半ばの選手が中心になってきてはいるが、彼らが今後も順調に成長し続ける保証はなく、ワールドカップ直前にケガをしてしまう可能性だってないわけではない。

 そんな時、国際経験も豊富で安定したパフォーマンスが計算できるベテランが後ろに控えていることは、戦略上、やはり心強いものだろう。

 まもなく新たな戦いがスタートする今季、神戸の連覇の可能性を語るうえでも、日本代表の未来を語るうえでも、"ハンパない"ストライカーはどうしても目が離せない存在となるのである。

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