高校選手権のスター候補で平山相太を想起させる日章学園・高岡伶颯 世界を知った男はどんなプレーを見せるのか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

「ここ(U-17ワールドカップ)を第一歩だと思って、これからJリーグへ、海外へとレベルアップしていって、チームを助けられるエースになっていこうと思います」

 彼の地でそんなことを話していた高岡にとっては、次なる目標への挑戦が選手権から始まると言っていいだろう。

 世界レベルを肌で感じた選手が、その直後に選手権に出場すると聞いて、思い出されるのは、第82回大会に出場した平山相太(国見)だ。

 高校3年生ながら飛び級で2003年ワールドユース選手権(現U-20 ワールドカップ)に出場した平山は、その大会で2ゴールを挙げるなど、U-20日本代表のベスト8進出に大きく貢献。すると、およそ1カ月後に開かれた選手権では格の違いを見せつけ、自ら9ゴールを量産するとともに、国見を全国制覇に導いた。

 まだ高校2年生の高岡と当時の平山では、学年も、出場した世界大会のカテゴリーも違い、単純に比較はできない。

 だが、類まれなスピードと決定力で世界から注目を浴びたストライカーが、国内の大会でどんなプレーを見せてくれるのか。それが今回の選手権における大きな注目ポイントであることは間違いない。

 苦しい時にチームを助けられる本物のエースへ――。

 悔し涙を流した高岡の、新たなスタートを楽しみにしたい。

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