高校選手権のスター候補で平山相太を想起させる日章学園・高岡伶颯 世界を知った男はどんなプレーを見せるのか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 もちろん、無得点に終わった以上、高岡本人は納得していない。

「(相手DFを)1枚抜いても、やっぱり世界(レベルの相手)は2枚、3枚ってどんどんくる。それでもブチ抜いていかないと、世界ではやっていけないなって、自分は今感じています」

 そう語る高岡は、世界との真剣勝負を繰り広げた全4試合を、こんな言葉で振り返っている。

「グループステージでは、『自分がチームを助ける!』っていう目標を持っていました。サブからのスタートで、ポーランド戦、アルゼンチン戦、セネガル戦と点を重ねてきて、チームを助けられたっていう部分はあるんですけど......。

(アジア予選を兼ねたU-17)アジアカップが終わって、この(U-17)ワールドカップにくるまで、自分的には本当に世界を想定した練習にすごく取り組んできて、その結果がグループステージで生きたのはよかったですけど、やっぱりその先が......、自分には足りなかったというか......。ここでスペイン相手に、大事な時に決めれないっていうのは、本当に努力不足だなって思います」

 世界の舞台で記録した4つのゴールがもたらした自信と、だからこそ残る、肝心な時に決められなかったという悔恨。

 実際に体感した"世界の壁"とは、どんなものだったのか。そんなことを問うと、高岡は複雑な表情を浮かべて口を開いた。

「乗り越えられなくはないって、やっぱり思いましたし、やれなくはないと思ったんですけど......、やっぱりこういうところで勝てないと、やれるという自信は......、(自信を持って)『やれる!』とは言えないですね」

U-17ワールドカップで活躍した日章学園のFW高岡伶颯。photo by Sato HiroyukiU-17ワールドカップで活躍した日章学園のFW高岡伶颯。photo by Sato Hiroyukiこの記事に関連する写真を見る インドネシアでの激闘を通じて世界のスタンダードを知った高岡は、来たる全国高校サッカー選手権大会に日章学園(宮崎県)の一員として出場する。

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