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クォン・スンテが鹿島アントラーズでの7年間を振り返る 最初に発した日本語は? (3ページ目)

  • 吉崎エイジーニョ●取材・文 text by Yoshizaki Eijinho

【「ソガヒョンから多くを学びました」】

 想像もしていなかった日本での日々、鹿島での時間は結局7年間にも及んだ。その間リーグ戦・カップ戦合計131試合に出場した。

 その時間は、「光」ばかりがすべてではなかった。特に移籍してきた初年度の2017年は、クラブのレジェンドでもある曽ケ端準との熾烈なポジション争いがあった。この年、クォン・スンテはPKストップなど華々しいスタートを切ったが、自身の負傷中に活躍した曽ケ端のパフォーマンスに勝てず12試合出場に留まった。

 2018年、19年はクォン・スンテがポジションを掴むが、その後に沖悠哉が台頭。この競争のなか2020年を最後に曽ケ端が引退。ピッチを去った。

「ソガヒョン(曽ケ端兄貴、といったニュアンス)は僕のことが面倒だった思いますよ! いつも隣にいて、時には追いかけてでも話をしたり、いたずらしたりしました。迷惑だったかもしれませんが...私にとっては本当の兄貴のような存在でした」

 実のところ、曽ケ端とは性格もサッカー観も真反対だと思っている。それでも徹底的にGKとして「同じ時を過ごした」。

「ホント、いたずらをたくさんしましたよね...。とてもいい関係、いい競争をしながらソガヒョンから多くを学びました。基本的な人間性や、サッカーに対する態度などです。ふたりは違っていたからこそ、私もそのカラーを身に着けたいと努力したんです。尊敬していました。だからいい競争をしようと思っていたんです」

 そんな日々で、クォン・スンテがただひとつ、思っていたことがある。

「『こいつならポジションを奪われても仕方がない』。そう感じてもらえることですね」

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