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「高校生のほうが上回っていることも多々ある」FC町田ゼルビアをJ1昇格に導いた黒田剛監督に聞く 高校サッカーとプロの違い

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

FC町田ゼルビア 黒田剛監督インタビュー 前編

FC町田ゼルビアをJ1昇格・J2優勝に導いた、黒田剛監督にインタビュー。高校サッカーの監督からJリーグの監督へと転身し、注目された今季を振り返ってもらった。

後編「黒田剛監督が語るサッカー哲学とチーム作り」>>

【頭の中は常にピリピリしていた1年間】

――先日、町田駅前でのJ1昇格・J2優勝記念パレードを終えて、改めて今季成し遂げられたことをどう感じていますか?

 パレードには約8,000人の方がいらしたと言われましたけど、もっとたくさん来てくださった印象がありました。正直、あれほどの方々に集まってもらえるとは。私だけではなく、スタッフや選手たちもそう感じていたと思います。

黒田剛監督はFC町田ゼルビアを見事J1昇格・J2優勝に導いた photo by Kishiku Torao黒田剛監督はFC町田ゼルビアを見事J1昇格・J2優勝に導いた photo by Kishiku Toraoこの記事に関連する写真を見る 私自身は1年目のチャレンジではありましたが、町田に関係してきた方々、十数年かけて町田を応援して支えてきた方々にとって、長い年月をかけて達成した最高の瞬間だったんだなと。町田の歴史を塗り替え、新たな1ページを刻めたことに対して素直に嬉しい思いと、来年J1で戦うことに対して覚悟と責任をより一層感じた瞬間でもありました。

――優勝を決めた時に「眠れない日もあった」とおっしゃっていました。気が休まらない1年だったと思います。

 生きている心地がしなかったですね。明けても暮れても、夜中でも起きて資料を作っている時もありました。負けたくなくて常に心配しているんですよ。なにか良い言葉が思い浮かんだら、すぐに携帯にメモしたり。そんな日々でしたから頭の中は常にピリピリしていましたよね。

 試合前に見せる映像やパワーポイントを1週間かけて作るんですけど、もうずっとキャッチフレーズであったり、メッセージであったり、選手たちが奮起するいろんな言葉を常に考えていました。

 オフの日には嫁さんと岩盤浴に出かけたり、仲間とお酒を飲む機会もありましたけど、リーグがあるうちはそういったことから抜け出せない時期でした。ただ、それが勝負で生きる者の生活でしょうし、それが苦痛になったらこの仕事はできないと思います。

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著者プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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