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樋口雄太が止まると鹿島アントラーズの攻撃も止まる PKを2度外した天皇杯で「気持ちも吹っ切れた」 (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • TOBI●撮影 photo by TOBI

【僕はアクションを起こし続けないと評価されないタイプ】

「答え」を探し続けてきたことで、見えてきたチームの強さもあった。

「これはあくまで僕自身の考えなんですけど、アントラーズって集団というか、密集して、選手同士の距離感がいい時ほど、自分自身もこのチームは強いなって感じているんですよね。

 全体が間延びしたり、攻守が目まぐるしく入れ替わったりするシーソーゲーム、もしくはオープンな展開になると、自分たちの距離感が悪くなって、勝ち点を拾えていない試合が多かった。でも、自分たちが距離感をよくして、密集する状況を作り出せていると、相手が嫌がっていることは試合中も感じられていました」

樋口雄太はついに「答え」を見つけたという樋口雄太はついに「答え」を見つけたというこの記事に関連する写真を見る チームのバランスばかりを考えるのではなく、自分がゴールに直結するプレーを意識する。そうすることでワンプレー、ワンプレーの判断も早くなり、チームの攻撃は円滑になっていく。

 J1第22節の北海道コンサドーレ札幌戦で、流れるような攻撃から開始12秒で決めたゴールも、その表れであろう。溝口修平からの縦パスを鈴木優磨、仲間隼斗が連続でフリックすると、鈴木からのラストパスを樋口がゴールに流し込んだ。

「あのゴールは、結果的に僕が決めましたけど、みんながゴールに向かう姿勢が大事だったと思いますし、だから、みんなで奪ったゴールだったと思っています。なにより、チーム全体が前向きなチャレンジをしているから生まれたゴール。半信半疑で攻撃している時は、やっぱりシュートで終わることができなかったですからね。

 あのゴールは一例ですけど、僕みたいな選手は、アクションを起こし続けないと評価されない。今はコンディションもいいですし、試合前に思い浮かべていた発想が試合中にパッと出てきて、点が取れそうだなって思える場面も増えてきました。そこは、自分がさらに成長している証なのかなって思いますし、だから今はまた、違った自分の可能性を見つけている段階なのかなって思っています」

 シーズン終盤に向けて、自信をのぞかせる樋口は、こちらが触れるまでもなく、自身が背負っているチームへの責任についても言及した。

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