夏の移籍で戦力アップが見込める5クラブ 海外へ移籍した主力の穴埋めに成功したのは? (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

◆サンフレッチェ広島
 クラブ生え抜きで背番号10を託されていたMF森島司(→名古屋グランパス)の離脱がショッキングなニュースとなったことは間違いない。だがその一方で、FW加藤陸次樹(セレッソ大阪→)、MFマルコス・ジュニオール(横浜F・マリノス→)という実力者を手にすることもできた。

 労をいとわず、前線で攻守にハードワークできる加藤は、広島のスタイルにフィットするはず。また、マルコス・ジュニオールは、選手層の厚い横浜FMでこそ控えに回ることが多かったが、2列目でコンスタントに出場機会を得られれば、森島に劣らない技術とアイデアを発揮してくれるに違いない。

 トータルの収支としては、うまくまとめることができたのではないだろうか。

◆FC東京
 MF安部柊斗(→モレンべーク/ベルギー)の海外移籍は痛手だが、FC東京の中盤には小泉慶、塚川孝輝らがいて、比較的層は厚い。それを考えれば、懸案だった右サイドバックに白井康介(京都サンガ→)を獲得できたことは大きいだろう。

 縦に攻め上がる思い切りのよさだけでなく、中盤での組み立てに加われる器用さも併せ持つ白井は、ピーター・クラモフスキー監督が目指すスタイルとの相性はいいはず。実際、白井が移籍加入後、即先発フル出場した2試合では、チームも2連勝と好調だ。

 同じく今夏加入したMF原川力(C大阪→)にしても、今後、中盤のポジション争いに加わってくる可能性は十分にある。決してビッグネームを獲得したわけではないが、うまくピンポイント補強に成功した印象だ。

◆川崎フロンターレ
 正直、話題先行の感もあるが、今夏最大のサプライズとも言うべき移籍補強を行なったのは、FWバフェティンビ・ゴミス(ガラタサライ/トルコ→)を獲得した川崎だ。

 かつてはリヨン(フランス)などでゴールを量産し、フランス代表にも選ばれていたゴミスだが、近いところで強烈なインパクトを残したのは、2019年AFCチャンピオンズリーグ決勝だろう。優勝したアル・ヒラル(サウジアラビア)のエースストライカーとして、浦和レッズを寄せつけなかったパワーと技術は、明らかにアジアレベルを超越していた。

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