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イニエスタをめぐる今後の焦点 「日本でのラストゲームはいつか」「次の移籍先はあるのか」を探る (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Kyodo news

【本人は現役続行の意思?】

「まもなく日本での旅が終わる」

 スペイン国内メディアはそう伝えている。

 ラストゲームは、6月6日の国立競技場でのバルサとの親善試合、もしくはその後の公式戦で神戸のホームゲーム(6月18日、ルヴァンカップの横浜FC戦)になる公算が高い。神戸は「今シーズン末までいてほしい」と慰留しているようだが、欧州の選手にとっては6月末までの契約がほとんどで、ここが区切りをつけるタイミングなのだ。

 契約解除には通常、相応の大金が必要になる。ただ、細かい契約内容はわからないが、イニエスタの貢献度を考えたら、縛り付けるべきではないだろう。肉体的にも精神的にもプレーは可能なのだから、新天地へ送り出すべきだ。

 移籍先候補には、サウジアラビアのアルヒラルの名前が挙がっている。アジアチャンピオンズリーグ決勝では浦和レッズに敗れたが、アジアの強豪と言える。「バルサ退団を表明したセルヒオ・ブスケツ、かつてバルサで戦友だったリオネル・メッシと合流し、バルサトリオ結成?」などという憶測も流れる。メッシはバルサ復帰も囁かれているし、不確定要素の強い話だが......。

「アンドレス(イニエスタ)とは、『監督ライセンス講習を一緒に受講しよう』とは話したよ。お互い監督には興味があるから。いつになるかはわからないけどね」

 昨年の5月、かつてバルサでチームメイトだったセスク・ファブレガスは国内スポーツ紙のインタビューで、そう語っていた。

 イニエスタは、監督の道に入ることもあるかもしれない。あるいは、かつての戦友であるシャビ・エルナンデス監督が率いるバルサで、ユース年代の監督をしながらライセンスを取るのもひとつの手か。人格者である彼がどういうチームを作るのか、興味は尽きない。

 もっとも、イニエスタ本人は40歳までは現役を続ける意思があるという。致命的なケガを負っているわけではなく、限られた時間だったら、トップレベルのプレーができる。この終わり方は未練が残るだろう。もともと相手の逆を取ったり、ポジション取りだったりすることで場を制する選手であり、今も簡単にラインを破るパスを出せる。たとえバルサでプレーしたとしても――。

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