小笠原満男のFKで決着 Jリーグ30年で忘れられない鹿島アントラーズとジュビロ磐田の名勝負 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

【翌年はジュビロ磐田が両ステージ制覇の完全優勝】

 しかしながら、単純にファースト、セカンド両ステージの合計成績を比較すれば、磐田がダントツ。シーズン26試合を戦い、わずか3敗しかしていないのだから当然だったが、2ステージ制というルールに年間優勝を阻まれ、鹿島にタイトルをさらわれた磐田にしてみれば、悔しさ倍増だったことは想像に難くない。

 当時の取材ノートには、次のようなコメントも記されている。

「チャンピオンシップを勝ったほうがチャンピオン」(藤田俊哉)

「ルールのことは言っても仕方がない。ツイてないのも力のなさ」(中山雅史)

 果たして、ここで辛酸をなめた磐田は翌2002年、史上初の両ステージ制覇によるJ1年間優勝を成し遂げるのである。

 ファーストステージ13勝1敗1分け、セカンドステージ13勝2敗(ともに、うち延長戦勝利は4)。もう誰にも文句は言わせない――。そう言わんばかりの完全優勝だった。

 こうして2強がつむいできたライバルストーリー。その長い物語の重要な一幕という意味で、2001年のJリーグチャンピオンシップはとても印象深い試合なのである。

プロフィール

  • 浅田真樹

    浅田真樹 (あさだ・まさき)

    フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。

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