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横浜F・マリノスの底力を象徴した2年目のルーキー山根陸 慣れない新ポジションで一発回答 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 断っておくが、山根はボランチとして大成すべきである。個人的には、すでに横浜FMでもファーストオプションの選手だと見ている。ただ、右サイドバックで試合経験を積み重ねるのも悪くはない。

「この先を考えても、ボランチしかできないよりも、違うポジションもできたら、いろんな経験を積めるはず」

 シーズン開幕前のインタビューでも、山根はそう説明していた。

「いつもと違う視野でプレーすることが、ボランチに戻った時に手助けになるはずです。プレーの幅を広げる意味では、すごくやりがいがありますね。ボランチより狭い視野でもプレーできるので、逆に"もっとここにいてほしいのに"と思うこともある。逆の立場(ボランチ)になった時に、ここにいたほうがいいなという経験になっているはずです」

 終盤、横浜FMは怒涛の勢いになった。水沼が2アシスト、A・ロペスとエウベルが2ゴールで、首位ヴィッセル神戸との勝ち点差を3に縮めた。戦力を糾合した王者は強力だ。

 4月15日、横浜FMは敵地で湘南ベルマーレと神奈川ダービーを戦う。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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