Jリーグ歴代FWトップ10を鄭大世が選出 「化け物に近い身体能力」「初めて吹っ飛ばされた」というストライカーたち (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

【圧倒的にファンです】

1位 ドウグラス(柏レイソル)

 ドウグラス選手は非の打ちどころが見当たらない。スピードがあって、フィジカルがとにかく屈強で、身長も高くて、ヘディングが強い。ブラジル人らしく相手の体重の逆を突くのが巧みだし、その上、クレバーで周りを使うのもうまい。

 それだけ選手として優れていながら、人間性も抜群なんです。だから僕は圧倒的にドウグラスファンです。

 Jリーグで最初に所属した徳島ヴォルティスではあまり活躍できなかったみたいですが、その後のサンフレッチェ広島に移籍してからはどのクラブでも活躍しています。

 僕が清水時代の2018年にドウグラス選手が加入してきて、彼のプレーや振る舞いを見て「ああ、こいつには勝てないな」と、どう足掻いても彼より上のパフォーマンスはできないと思いましたね。

 FWはわがままな生き物なんですけど、彼は自分が点を取ったらツートップの相方の北川航也選手のところへいって「次はキミの番だよ」と言ったり、僕が試合に出られなかったら僕のところへきて「テセ、みんなで一緒に頑張ろう」と言ってくれるんです。

 僕はわがままで自己中心的で、自己主張の塊だから、試合に出られなかった時は、この世の終わりかのような精神状態なんです。それを彼は理解してくれて、そういった言葉をかけてくれた時は本当に救われたし、勝てないと思いました。

後編「鄭大世が振り返るJリーグでスゴイと思ったDFトップ10」>>

鄭大世 
チョン・テセ/1984年3月2日生まれ。愛知県名古屋市出身。朝鮮大学校から2006年に川崎フロンターレに入団し、FWとして活躍。2010年からはドイツへ渡り、ボーフム、ケルンでプレー。その後韓国の水原三星、清水エスパルス、アルビレックス新潟、FC町田ゼルビアで活躍し、2022年シーズンを最後に現役を引退した。北朝鮮代表として2010年南アフリカW杯に出場している。J1通算181試合出場65得点、J2通算130試合出場46得点。

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