ヴィッセル神戸・酒井高徳が激白、タイトル奪取に何が必要か。「天国と地獄にわかれるというくらいの覚悟」 (4ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text&photo by Takamura Misa

 特にヴィッセルには、(山口)蛍や(齊藤)未月ら、セカンドボールを拾える能力の高い選手がそろっていると考えても、そこからの二次攻撃、三次攻撃と畳み掛けることができれば、もう1.5倍くらいは得点力がアップするはずだから」

 さらに、強く意識するのは「目の前の一試合にすべてを注ぎきること」だと言う。

「昨年優勝した横浜F・マリノスの選手も言っていましたが、目の前の試合にすべてを出しきって、この試合で優勝が決まるというくらいのメンタリティで戦うことが"タイトル"獲得には不可欠。開幕戦ひとつとっても、『残り33試合あるからいいや』ではなく、『この試合で天国と地獄にわかれる』というくらいの覚悟で戦うべきだと思っています。

 そうすれば、勝つ可能性は上げられるはずだし、チームとしてやるべきことの方向性は見失わずに次に進んでいけるはずだから。実際、昨年はケガ人が出たり、いろんな状況はあったにせよ、開幕戦を含め序盤に思うように白星をつかめず、自分たち自身が『これで本当に大丈夫かな?』『こんな簡単に失点していたら勝てないよ』『こんなにもチャンスを外してどうやって点を取るの?』と疑心暗鬼になってしまったのも、前半戦の戦いで苦しんだ理由のひとつだと思うので。

 とにかく今年は、自分たちの強さ、ハードワークをしっかり出して目の前の試合を戦って、自信を積み上げながら次の試合に進めるようにしていきたいです」

 その開幕戦、ヴィッセルはホームの地でアビスパ福岡に1-0で勝利。右サイドバックでフル出場した酒井は、2年ぶりの白星発進に「狙いどおりの戦いで勝てたのは、チームとして同じ方向を向いている証拠」と手応えを口にしながらも、「この結果に一喜一憂せず、勝ちながら修正していくことが大事」と気を引き締めた。

酒井高徳(さかい・ごうとく)
1991年3月14日生まれ。アメリカ出身。アルビレックス新潟のアカデミーで育ち、2008年には2種登録選手としてトップチームに在籍。2010年にはレギュラーを獲得し、翌2011年には海外へ移籍。ドイツ・ブンデスリーガのシュトゥットガルト、ハンブルガーSVで活躍し、2019年にヴィッセル神戸入り。以降、主力として奮闘している。代表歴も豊富で、2012年ロンドン五輪、2014年ブラジルW杯、2018年ロシアW杯に出場。

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