ヴィッセル神戸・酒井高徳が激白、タイトル奪取に何が必要か。「天国と地獄にわかれるというくらいの覚悟」 (3ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text&photo by Takamura Misa

 そのために沖縄キャンプ中も繰り返し促してきたのが、若手選手の奮起だ。今シーズンはチームの顔ぶれが大きく変わり、ルーキーを含めて若い選手が数多く加入したからこそ、「もっと貪欲に自分を示してほしい」と酒井は言う。

「チーム内のいい競争って、互いがキャリアに関係なく、それぞれがプロとしての自覚を持ってバチバチやり合うことで生まれるもの。『先輩に引っ張ってもらわないと上手くコミュニケーションが取れません』『自信を持って戦えません』では話にならない。

 それに、選手の成長は誰かに言われたからではなく、自分自身がどうありたいか、どう行動していくのかで見出せるものですから。

 もちろん、このチームは経験のある選手が多いし、ましてや、ものすごいビッグネームもいるので、ルーキーが怖気づくのもわからないでもないですが、そこに自分から飛び込んでいくくらいじゃないとプロとしては戦っていけないし、チーム内の競争にも火がつかない。だからこそ、若い選手は遠慮せず、もっとガンガンきてほしいです」

 一方、プレー面において個人的に意識したいと話すのは、"クロスボール"の数とクオリティだ。昨年も前線の選手の特徴を踏まえ、「意図的にクロスボールを選択してきた」と話す酒井だが、今年はそれ以上の質と回数を増やすことで得点力アップを目指す。

「2019年にヴィッセルに加入した時から、『失点さえしなければ、このチームは勝てる』と思っていたし、だからこそ、ことあるごとに、守備の強度を高めてチームに浸透させたいと口にしてきました。

 そのなかで、昨年途中にタカさん(吉田孝行監督)が就任されてから守備の強度は上がったし、実際に高い位置から激しく、アグレッシブな守備ができた時は、必然的に失点も減り、勝てる試合も多かった。その守備は今年も継続すべきだと思っています。

 また、そのうえでいかに点を取るかという部分では、サコやヨッチ(武藤嘉紀)の加入後は、特にクロスボールやゴール前にボールを入れていくパターンで確実に点が取れてきたと考えても、そこは極めていきたいな、と。そのためには、僕自身もよりクロスの本数は意識したいし、チームとしても直線的に入れるクロスからの攻撃はもっと増やしてもいいんじゃないかと思っています。

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