ヴィッセル神戸・酒井高徳が激白、タイトル奪取に何が必要か。「天国と地獄にわかれるというくらいの覚悟」 (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text&photo by Takamura Misa

 プロサッカー選手としての一番の評価は、試合に出て、パフォーマンスを発揮すること。ドイツ時代も常に『1試合でも欠場してしまったら、自分の居場所がなくなってしまう』という危機感のもとで過ごしてきましたが、そのことを第一に考えていれば必然的に、自分が何をすべきか、毎日をどう過ごすべきかが決まってくる。とにかくそれを、自分に甘えを許さずやりきるだけだと思っています。

 ただ、常に競争がある世界だからこそ、昨年と同じことをやっていればOKとは思っていません。今年も試合に出続けられるように新たなことに取り組んでいかなければいけないし、そのために頭と体を整理して今シーズンを戦っていかなければいけない。その姿をピッチで表現しながら、今シーズンが終わった時に『今年も全試合出場できてよかったな』と言える一年にしたいと思います」

 また、チームが始動してからは"闘う集団"としての姿を取り戻すことを意識して過ごしてきたという。クラブ史上J1最高順位に上り詰めた2021年には確かにあった姿だ。

「J1リーグを3位で終えた一昨年は、選手層などいろんな理由はあったにせよ、根本的に"闘う集団"としての姿を示せていたと思うんです。じゃあ、そういう雰囲気がどうやって出来上がっていったのかを考えたら、キャリアのあるベテラン選手が先頭に立って闘う姿を示し、そこに若い選手が負けじと食らいついていくことで形づくられていった。

 そのことを昨シーズンの終盤、サコ(大迫勇也)がケガから復帰してきたなかで、改めて再確認したというか。実際、サコが試合中に厳しさを仲間に求めたり、プレーの要求をするなどの姿勢を示しながらチームを引っ張ってくれて、チーム全体にいい緊張感が漂うようになったし、それが結果につながることも増えた。

 もちろん、それは僕もシーズンを通して意識してきたことでしたけど、その人数がもっと増えていかないとチームは変化していかない。年齢、キャリアに関係なく、ここにいる全員がヴィッセルのエンブレムを背負うことに責任を持って戦うことで、もう一度"闘う集団"としての姿を取り戻したいし、そういう厳しさを自分にもチームメイトにも求めていきたい」

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