「ガンバの背番号7」という覚悟...ニュー宇佐美貴史が「プレッシャーを打ち破っていくのは快感」と胸を張れた理由 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

【名門復活のカギを握る宇佐美】

 課題を口にした宇佐美だったが、その表情に悲壮感はなかった。

「でも、今までにない課題なので。勝てそうなゲームを落としたとか、ボールを支配しているところで3点目が取れていればとか、試合が終わった時にそういった感情になることはここ数年、なかなかなかったこと。もちろん勝ちたかったし、勝ち点2を失ったのは間違いないですけど、ポジティブな悩みだと思っています」

 一昨季は13位、昨季は15位と、二度のリーグ制覇を誇る"関西の雄"は近年、低迷が続いている。昨季終盤は勝ち点を取りこぼさない超現実的なサッカーでなんとか残留を成し遂げたものの、発展性のないそのサッカーからは未来が見えなかっただろう。

 しかし、ポヤトス監督を迎えた今季は確かなスタイルが息づく。勝てなかったとはいえ、開幕戦で形が見えたことは、G大阪にとってこれ以上ない収穫だ。

 そしてそのチームの中心には、新たな背番号7がいる。

「今年誰が一番重いものを背負っているかと言えば、明らかに僕だと思う。そのなかで結果を出していくとかプレッシャーを打ち破っていくのは快感ですし、だからこそキャプテンを引き受けましたし、7番を背負ったわけなので。でも、楽しさとか、やりがいしか感じていない。自分のものにしていこうと思っています」

 クラブのすべてを背負った"ニュー宇佐美"が、名門復活のカギを握る。

★中村俊輔選手との鼎談全文(合計33ページ)収録★
↓↓↓↓↓↓↓↓
webスポルティーバの大人気対談
「中村憲剛×佐藤寿人 日本サッカー向上委員会」が一冊の本になった!

 書籍名は「ケンゴとヒサト サッカー人生以外も役に立つサッカーの話」

 ふたりが願う「日本サッカーのさらなる向上」を実現するため、さまざまなテーマに沿って対談形式で本音をぶつけあう。また、カタールワールドカップ直前企画として「ふたりの思い出のワールドカップこぼれ話」、さらにはふたりが熱望した元日本代表MF中村俊輔選手を招いて豪華な「スペシャル鼎談」も収録。プロとして20年近く現役を続けられたふたりの言葉は、「サッカー以外の人生」にもきっと役に立つ。

<中村憲剛さんからのコメント>
「長く第一線でやれたのには理由があります。その要因を紐解くことは、サッカーだけではなく、おそらくサッカー以外の社会や組織にも当てはまること。その『ヒント』になるようなものが、この本には詰められていると思います」

<佐藤寿人さんからのコメント>
「僕らはスポーツの世界で経験してきたことを話していますけど、それをうまく変換して『自分事』として捉えていただき、それぞれの環境で生かしてもらえたら。サッカーをやってきたなかで学んだことは、人生にも役立つんです」

【書籍名】 ケンゴとヒサト サッカー人生以外も役に立つサッカーの話
【発 行】 集英社
【発 売】 2022年11月14日(月)
【定 価】 本体1,700円+税

◆ご予約はこちらから>> 「集英社・書籍案内」 「Amazon」 「楽天ブックス」


【profile】
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都小平市出身。久留米高校から中央大学に進学し、2003年にテスト生として参加していた川崎フロンターレに加入。2020年に現役を引退するまで移籍することなく18年間チームひと筋でプレーし、川崎に3度のJ1優勝(2017年、2018年、2020年)をもたらすなど黄金時代を築く。2016年にはJリーグMVPを受賞。日本代表・通算68試合6得点。ポジション=MF。身長175cm、体重65kg。

佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。

プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る