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加地亮の2023シーズンJ1順位予想&全チームレビュー。「今年は10位くらいまで大混戦の優勝争い」というなか、頂点に立つと見たのは? (4ページ目)

  • 篠幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

【J2からの昇格組は経験のなさがどう出るか】

 湘南ベルマーレは山口智監督の下、しっかりと守れるチームを作り上げた。ただ、昨季も得点力不足は相変わらず。勝負どころで点が取れず、勝ちきれない試合は多かった。エースのFW町野修斗、完全移籍となったMF阿部浩之らを中心に、最後のところの精度をどれだけ上げられるかが課題だろう。

 京都サンガF.C.も湘南同様に、得点というところで課題を残している。FWピーター・ウタカが離れ、補強したFW一美和成やFWパトリックでどれだけ改善できるか。また、守護神のGK上福元直人が抜けた影響は大きいはず。攻守に抱える懸念材料をどう解決するかだろう。

 横浜FCはかなり戦力の入れ替えがあった。FW小川慶治朗が帰ってきて、MF三田啓貴を獲得したが、全体を見るとJ1経験者が少ないのは気になるところ。その経験のなさで、長いシーズンのなかで難しい場面も多くなるだろうと感じている。

 アルビレックス新潟も同じく、選手たちのJ1での経験値のなさが懸念される。J2では主導権を握るサッカーで優勝できたが、それがJ1でどこまで通用するか。

 今シーズンは、10位くらいまでは少ない勝ち点差のなかで争う、大混戦の優勝争いになると予想している。連勝を重ねて独走するようなチームは出てこないだろう。

 順位を低めに予想した浦和やG大阪が、昨季の広島のように監督が変わって躍進する可能性も十分にあるし、満田誠のように新しいヒーローが出現するかもしれない。いずれにしても川崎、横浜FMの2強時代から潮目の変わるシーズンになると予想している。

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加地 亮 
かじ・あきら/1980年1月13日生まれ。兵庫県出身。滝川第二高校からセレッソ大阪に入団。その後、大分トリニータ、FC東京、ガンバ大阪でプレー。運動量豊富な攻撃的右サイドバックとして大活躍し、数々のタイトル獲得に貢献した。1999年ナイジェリアワールドユース準優勝メンバー。日本代表では国際Aマッチ64試合出場2ゴール。04年アジアカップ優勝。06年ドイツW杯に出場した。14年からはアメリカのチーバスUSA、15年からファジアーノ岡山でプレーし、17年に引退。現在は解説者として活躍中。

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