加地亮の2023シーズンJ1順位予想&全チームレビュー。「今年は10位くらいまで大混戦の優勝争い」というなか、頂点に立つと見たのは? (3ページ目)
【監督のマネジメントがカギになりそう】
FC東京のアルベル・プッチ・オルトネダ監督1年目の昨季は、ビルドアップの形が見出せず、前線のタレント頼りになりがちだった。FW仲川輝人、MF小泉慶という即戦力の獲得は大きく、選手は揃っているので、スタイルの浸透、確立ができればもっと上の順位を狙える力はあるはず。
昨季のヴィッセル神戸はケガ人が多く、期待値が大きかったなかで苦戦を強いられた。今季は前線のタレントをどれだけ活かせるか。さらにMFアンドレス・イニエスタのフル稼働は難しいなかで、代わりの選手がどれだけ活躍できるか。吉田孝行監督のマネジメントが問われるだろう。
また、守備面で攻撃的なタレントが多いだけに、ボールを奪われた瞬間の守備に不安がある。シーズンを通しての安定した戦いが課題になると感じている。
浦和レッズも昨季は主力のケガに悩まされた。ボールはつなげるだろうが、ゴール前での迫力をどれだけ出せるか。そういった意味でFW興梠慎三の復帰は大きい。ただ、FWキャスパー・ユンカーやMF江坂任、MF松尾佑介ら前線のタレントが抜けた影響は少なくない。監督も代わり、チーム作りに時間を要する1年になるだろう。
アビスパ福岡は2年連続でJ1に残留したが、昨季は急激に失速した印象がある。38失点と守備力の高さは示したが、得点は29しか挙げられていない。昨季不発だったFWルキアンをどう生かすかがカギとなりそうだ。一本調子になりがちな攻撃のバリエーションも増やせなければ厳しくなるだろう。
ガンバ大阪はキャンプを見てきたが、ダニエル・ポヤトス新監督になり、ボールをつなぐスタイルに大きく様変わりした。新戦力のFWイッサム・ジェバリの能力は高く、新キャプテンで7番背負うことになったFW宇佐美貴史の奮起にも期待したい。
あとは新しいスタイルをシーズン通してやりきれるだけの勇気があるか。そこは開幕してからでなければわからない怖さがある。今季はスタイルを作り上げる段階で、安定した戦いを目指すところだろう。
北海道コンサドーレ札幌はミハイロ・ペトロヴィッチ監督6季目でスタイルは明確だし、やることは変わらないだろう。面白いサッカーではあるが、カウンターに脆く、不安定な戦いになりがちだ。移籍で抜けた選手に対して補強がやや物足りなく、軸となるストライカーが毎年出てこないのも懸念材料。
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