識者5人が選んだJリーグ30年のベストイレブン。「最強助っ人」「史上最高のGK」「歴代随一の打開力」など豪華な顔ぶれ (2ページ目)

【遠藤保仁はJリーグ史上最高のプレーメーカー】

小宮良之(スポーツライター)

この記事に関連する写真を見るFW/三浦知良、大久保嘉人 
MF/中村俊輔、イニエスタ 
MF/小笠原満男、中村憲剛、遠藤保仁 
DF/田中マルクス闘莉王、中澤佑二、松田直樹 
GK/楢﨑正剛

 Jリーグを発展させたか?

 その視点でベストイレブンを選出した。所属クラブを主力選手として栄光に導く、あるいは新たな時代を切り開くパフォーマンスがあったか。Jリーグの歴史を動かした選手たちだ。

 まず、GKは楢﨑正剛で決まりだろう。2010年に名古屋グランパスに優勝をもたらし、GKとして初めてJリーグ最優秀選手に選出された。ベストイレブン選出も6回。総合的ゴールキーピングの高さは、今も多くのGKが手本にするところだ。

 DFでは、松田直樹は外せない。横浜FMの連覇に貢献し、型破りでダイナミックなディフェンスで一時代を作った。キャラクターが強い選手で、言動が荒々しいのに愛嬌があり、多くのファンに愛されている。

 中澤佑二も松田とともに横浜FMを優勝に導き、2004年にはJリーグ最優秀選手賞を受賞。その後も力強く実直な守備と豪快なヘディングで、一つのモデルを作った。また、田中マルクス闘莉王は浦和レッズでJリーグ、天皇杯、ゼロックス、ACLなどタイトルを総なめ、名古屋でもJ1優勝を果たし、超攻撃的ディフェンダーとして一世を風靡した。

 中村憲剛は川崎フロンターレ一筋で、スペクタクルなサッカーで頂点に立ち、語り継がれるべき伝説と言えるだろう。鹿島アントラーズの小笠原満男も、イタリア挑戦はあったが、それに近い。いわゆる勝たせるボランチで、常勝軍団の中心にあった。

 遠藤保仁は主にガンバ大阪での栄光が際立ち、プレーメーカーとしてはJリーグ史上最高の日本人選手と言えるだろう。中村俊輔もセルティックなど欧州挑戦時代を挟み、マリノスで2度のJリーグ最優秀選手に輝いている。アンドレス・イニエスタはJリーグ歴代最高の外国人で、改めてサッカー伝道師となった。

 大久保嘉人はJリーグ歴代最多得点や3年連続得点王など数字も驚くべきだが、記憶に残るストライカーだった。破天荒なイメージは強い一方、プレーインテリジェンスに優れたFWで、他の追随を許さない。カズは黎明期のJリーグで果たした役割は計り知れない。30年の歴史を作った"生ける伝説"だ。

 当然、ほかにもすばらしい選手は大勢いる。個人的にはGK南雄太、DF小林祐三、鈴木大輔、MF橋本拳人、大谷秀和、齋藤学、水沼宏太、山田大記、FW福田健二、豊田陽平、工藤壮人などがJリーグで追い続けて飛躍した選手で、「もう一つのベストイレブン」である。

 30周年、その人なりのJリーグベストイレブンもあるはずだ。

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