2022年の日本サッカー10大ニュースを平畠啓史さんが選定。「やっぱりドラマがある」「みんなに忘れてほしくない」出来事とは? (5ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu
  • photo by Sano Miki

【横浜F・マリノスJ1優勝】

 まず見ていて試合が面白い! そういうチームが優勝するって気持ちいいですよね。

 誰が見ても面白いサッカー。サイドから崩して中央でドンって決まったゴールを見ると、マリノスっぽいなと思えます。サイドをえぐって折り返す。相手もわかっているのに、崩していけるのがすごい。スピードに乗って、縦に迫力がある。5~6万人入る日産スタジアムでお客さんを喜ばせるには、ああいうサッカーじゃないと伝わらない。

 選手が入れ替わっても、また補強で連れてくる選手が的確ですね。宮市亮選手がケガした時の男の結束力もすごかった。宮市選手のパーソナリティもあると思う。戦力がダウンしたのに、それをプラスに変えられるチームが本当に強いチームです。

 西村拓真、渡辺皓太、岩田智輝がマリノスに移籍してきてから、めちゃくちゃ進化しています。マリノスでは、成長しないと試合に出られないような緊張感があるのではないか。まさに優勝するチームにふさわしいです。

【W杯の日本代表】

 改めてスポーツは偉大だなと。コロナとか政治とか暗い話題が多いなか、ワールドカップで日本が勝ったら明るくなれるってすごいこと。

 先日セルジオ越後さんの来日50周年パーティーで水沼貴史さん、うじきつよしさん、勝村政信さんと僕の4人でしゃべっていたんですが、それこそ全員50〜60歳のおじさんですよ。そんな4人が「堂安すごいっすね!」って前のめりで言い合える。

 もうワールドカップから結構時間が経ったのに、テンションが落ちない。そもそも僕はサッカーの結果で盛り上がるタイプじゃないんですが、それでも今回はすごいなって思います。

 日本中が盛り上がっているのを見るのも、うれしいんですよね。「よかったな〜」って本当に思っています。サッカー関係者ってサッカーの話の時に小難しい話や、ちょっとネガティブな話ってしがちじゃないですか。でも今回はみんなが前のめりになって話してる。

 大会が始まる前にSNSで森保監督批判していた人たちは、全員丸坊主にしてほしいと思った(笑)。批判って言いっぱなしになるじゃないですか。それはよくないですよ、なにも生まない。SNSで森保監督批判していた人たちは、100人ぐらい集まってみんなで坊主にすればいいんじゃないでしょうか(笑)。

 とにかく今回のワールドカップって、「こんなに面白かったっけ!」っていうぐらい面白かったです。

平畠啓史 
ひらはた・けいじ/1968年8月14日生まれ。大阪府出身。芸能界随一のサッカー通として知られ、サッカー愛溢れる語り口が人気で、多くのサッカー関連番組の出演中。平畠啓史Jリーグ56クラブ巡礼2020 日本全国56人に会ってきた」(ヨシモトブックス)など、サッカー関連の著書も多い。

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