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2022年の日本サッカー10大ニュースを平畠啓史さんが選定。「やっぱりドラマがある」「みんなに忘れてほしくない」出来事とは? (3ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu
  • photo by Sano Miki

【J1昇格プレーオフ】

 やっぱりプレーオフはドラマがあるな〜と。見ていて肩の力が入る。リーグ戦とは違う雰囲気でヒリヒリした戦い。戦いを見ていて吸い込まれていく。

 ファジアーノ岡山、ロアッソ熊本など、J1経験のないクラブが昇格に迫っていくストーリーを見ていて感動しました。熊本がよそ行きのサッカーじゃなくて、ずっと積み上げたサッカーを京都のスタジアムで披露したのがすごくよかった。平川怜のあのシュートがあと数センチ内側に入っていたらどうなっていたのかなと、今でも思うことがあります。

 熊本がJ1に行ける可能性を帯びてきて、クラブの雰囲気ができあがっていった。熊本の方はプレーオフが初めての経験だったけど、大分トリニータは過去に経験していて、えがお健康スタジアムに大分のサポーターが朝5時半に来ている光景を見るわけですよ。それはサポーターだけじゃなく、街のタクシーの運転手なんかも見るわけです。タクシーの運転手さんが「大分の人マジやぞ!」って話していて、そういう経験も初めてだったでしょう。

 初戦が九州対決になったのも個人的にはよかったなと。プレーオフはやっぱり続けていってほしい。やっぱりリーグ戦終盤は、プレーオフに向けた緊張感がありました。

【工藤壮人の死去】

 急すぎてまだ実感がありません。みんなに忘れてほしくないので、あえてここで挙げさせていただきます。

 SNSでサポーターの工藤壮人選手のコメントを見ていて思ったんですが、まだ工藤選手が生きているうちに、もっといいところやいいプレーを言わなきゃいけなかったなと。だから今プレーしている選手たちのいいところって、今すぐどんどん言っていかなきゃと思うんです。

 工藤壮人選手は魂のストライカー。ゴールでスタジアムを沸かすことができる選手。日立台を沸かせるストライカーと言えば北嶋秀朗選手ですが、それを引き継いだのが工藤選手でした。足が速いとか、いっぱい練習したとか、そういうことで身につくものではなくて、パーソナリティが応援される選手です。

 サッカーに対して常にストレートなんだけどフランクな性格。でも真面目な時は真面目。いろんなクラブでプレーしたので、影響を受けた選手も多いんじゃないでしょうか。

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