中村憲剛&佐藤寿人の解説者エピソード。4バックと思ったら3バック...ウォームアップでだまされた (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

佐藤 配置がちょっとわかりづらいなという時は、ベンチからの指示を待ちますよ。

中村 その指示が遅れて失点するのが嫌だから、自分でも把握したかったのよ。

---- 試合を観るうえで、システムを理解することは重要ですか?

中村 観やすくなるし、面白くなりますよね。

佐藤 憲剛くんも言っていましたけど、どこにスペースが生まれやすいとか、どういう狙いを持ってゲームに入っているのか、ということをイメージできると思います。

 そのイメージを持ちながらゲームを見てもらって、そのとおりになれば面白いし、可変で人を動かしてくるチームもいるので、その狙いを紐解こうと思って見るうえでも、システムはわかりやすいポイント。頭を使いながら試合を観戦すると、さらにサッカーが面白くなると思います。

中村 システムには必ず強みと弱みがあって、その強みをどこまで出そうとしているのか。それに対して、もう一方のチームも強みを出そうとするのか。逆に弱みを突こうとしているのか。人の配置や数によってチームの狙いは変わってくるので、システムは大事だと思います。

 風間(八宏/2012年〜2016年@川崎フロンターレ監督、2017年〜2019年@名古屋グランパス監督)さんはシステムだけでモノを見るな、という方でした。正確な技術と状況をしっかり観られる目があれば、相手のシステムは関係なくなる。むしろ相手がこちらに合わせてくると。

 だから、1番大事なことは、相手のシステムが3バックでも4バックでも、それを受けて自分たちがどう勝ちに持っていくかを考えてプレーすることだと思います。

佐藤 ピッチ上で起きていることを選手が正しく判断して、正しい技術でしっかりとやれたら主導権を握れるという考え方でしたからね。

中村 個を成長させて、選手の成長がチームの総和になるという発想だね。組織が先ではないという考え方だったし、僕自身もその影響は受けています。ただ、4枚なのか3枚なのかで、間違いなく戦い方は変わってきますよ。

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