中村憲剛&佐藤寿人の解説者エピソード。4バックと思ったら3バック...ウォームアップでだまされた (2ページ目)
佐藤 前半戦の鹿島と広島の試合を解説したんですけど、広島のスターティングメンバーを見たら、最終ラインが4枚か3枚か、どっちなのかわからなかったんですよ。でも、ウォーミングアップを観ていたら、塩谷司がボランチの位置でポゼッションの練習をしていたので、これは4バックだなと。
でも、フタを開けてみたら、塩谷が最終ラインに入って3バックだったんです。解説側としてもだまされたなと思いましたし、鹿島のベンチでも、その時はコーチだった岩政(大樹)が慌てて「3枚、3枚」って指示を出していたんです。ミヒャエル・スキッベ監督がウォーミングアップから駆け引きしていたんですね。
解説者としてだまされた形となりましたが、鹿島も立ち上がりからバタつきましたから。広島が3−0で勝ったんですけど、試合前から勝つための策を打ってきたスキッベ監督の戦略にはうならされましたよ。
中村 俺は現役の時、相手のウォーミングアップを観て、システムや選手の並びを確認してたよ(笑)?
佐藤 マジですか。そんな人いないですよ(笑)。
中村 いないかな? チームによってはシュート練習の時に左右に分かれるので、その選手がサイドバックか、サイドハーフかという見当がつくじゃないですか。
ハーフウェーライン付近からロングボールを蹴る選手がセンターバック。その人数が2人なのか、3人なのか。2人だったら4バックだし、3人だったら3バックだなって。つまり、スキッベ監督は相手に観察する人がいるかもしれないから、ウォーミングアップでだましたわけね。やるなぁ。
佐藤 やりますけど、普通、相手のウォーミングアップを観る選手なんていないですよ。
中村 いないの?
佐藤 絶対いないです。そこまで懐疑的になれないですよ。
中村 フロンターレに対してやることを変えてくるチームが多かったから、どうしても懐疑的になっちゃうよね。だから現役の時から、最初の5分は相手のやり方を推し量っていましたよ。
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