J1残留争い、危険域内にいるのは8チーム。各クラブの調子を「上がり目」「下がり目」「横ばい」に分けてみると? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

最下位から11位まで急浮上

 では、現実的に考えて、どのあたりまでのクラブにJ2降格の可能性があるのだろうか。

 それを予想するうえでは、残り試合数が目安になる。

 すなわち、「残り試合数=逆転可能な勝ち点差」である。

 これを目安にすると、17位とは勝ち点差6、16位とは勝ち点差4しかない11位の清水エスパルス以下が、危険域内ということになる。

 10位の名古屋グランパスにしても、16位との勝ち点差は9しかなく、目安に照らせばプレーオフ行きの可能性が残ることにはなるが、11位との勝ち点差や順位を含めて考えれば、残留当確ラインに達していると見ていいだろう。

 ここでは11位以下の8クラブを対象に、J1残留争いの行方を占ってみたい。

 シーズンの折り返し地点を過ぎ、明らかに状態が上向いてきたのは、清水だ。

 今季途中、平岡宏章監督を解任し、新たにゼ・リカルド監督を招聘するも、すぐには劇的な変化が表れなかったが、その後、MF乾貴士、FW北川航也、FWヤゴ・ピカチュウと、新戦力を次々に獲得。積極的な補強策が実を結び、最近4試合は2勝2分けの負けなしだ。

 順位のうえでも、一時は最下位まで沈んだこともあったが、ここに来て11位まで急浮上してきた。戦いぶりにも自信がうかがえるようになり、このまま残留当確圏まで一気に駆け上がっていきそうな勢いがある。

 清水と同じく、監督交代後に勝ち点を伸ばしているのが、神戸である。

 現在指揮を執る吉田孝行監督は、今季3人目となる神戸の指揮官。三浦淳寛監督に代わり、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が就任したあとも事態が好転しなかった神戸だが、今季2度目の監督交代で吉田監督が就任するや直後に3連勝するなど、4勝2敗1分けと成績が大きく向上した。

 夏に補強したDFマテウス・トゥーレル、MF飯野七聖のチームへの適応が早いのも、J1残留へ向けて好材料となっている。FW大迫勇也、MFアンドレス・イニエスタら、本来の主軸がケガでフル稼働できない不安は依然残るが、シーズン前半に比べると成績は上向いてきた。

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