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鈴木優磨「疲れがどっと出た」。常勝軍団復活へ、アントラーズの課題は後半の運動量。それでもクラブ初の改革は伸びしろ大 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

浮き彫りになった鹿島の弱点

 なかでも際立ったのは、鈴木の存在だ。迫力満点のプレスでボールを奪ったかと思えば、サイドに流れて起点となり、一発のフィードからゴールに迫った。自陣から持ち上がったドリブルも迫力十分で、欧州帰りのストライカーがこのスタイルの重要な体現者だった。

 ボールを持つ時間は横浜FMのほうが長かったが、決定的なチャンスでは鹿島が上回った。果たして、前半はスコアレスで終了。上田やアルトゥール・カイキが決定機をモノにしていれば、鹿島の勝機は高まっていたはずだ。

 ところが後半に入ると、このサッカーの弱点が浮き彫りとなる。連戦や暑さの影響もあっただろうが、インテンシティを保つことが次第に困難となっていったのだ。

 加えてエウベル、宮市亮とフレッシュなウイングを投入した横浜FMの推進力の高さに後手を踏み、押し込まれる時間が増加。選手交代でも活性化せず、防戦一方を余儀なくされた。

「後半は疲れがどっと出たかなと。個人的にも後半は足が動かなくなるのを感じていました」

 鈴木が言うように、後半の鹿島の運動量が低下したのは明らかだった。

 能動的にボールを動かしていた横浜FMに対し、動かされていた鹿島。何とかこらえていたがボディブローのようにダメージは蓄積され、82分にセットプレーで先制点を与えると、あとは立て続けに2点を奪われ、0−3の完敗に終わった。

「60分くらいまではいい試合ができていたし、ゴールを決められる可能性もあった。ただ、それ以降の時間帯は自分たちが苦しむ展開となってしまった。最終的には厳しい結果になったが、ここで止まらず前進していきたい」

 自身が指揮を執ってからは初黒星となったヴァイラー監督は、感情を見せることなく、冷静に試合を振り返った。

 指揮官が言うとおり、60分までは互角の戦いだっただろう。もっとも90分を通して強度の高いサッカーを保てないのなら、残り30分をどう戦っていくのかが大きなテーマとなる。複数の選手が口にするように、その課題は共通認識としてあるようだ。

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