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鈴木優磨「疲れがどっと出た」。常勝軍団復活へ、アントラーズの課題は後半の運動量。それでもクラブ初の改革は伸びしろ大

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 4月6日に行なわれたアビスパ福岡戦で、鹿島アントラーズは上田綺世の見事な一撃を守りきり、破竹の5連勝を達成。ふたつ消化試合数の多い川崎フロンターレをかわして、リーグ首位に浮上した。

 常勝軍団復活へ----。今季の鹿島はクラブ初のスイス人指揮官、レネ・ヴァイラー監督を招聘。2016年を最後に優勝から遠ざかる閉塞感を打破すべく、伝統のブラジル路線から大きく舵を切っている。

鹿島の新スタイルを体現するエースの鈴木優磨鹿島の新スタイルを体現するエースの鈴木優磨この記事に関連する写真を見る 新型コロナの影響でヴァイラー監督の入国が遅れていたものの、クラブOBの岩政大樹コーチの下でチーム作りを進め、開幕4試合で3勝1敗と好スタートを切った。ヴァイラー監督合流後にも湘南ベルマーレ、清水エスパルス、そして福岡を撃破。新監督のスタイルが早くも浸透していることを印象づけている。

 もっとも、5連勝のうち柏レイソルを除けば下位に沈むチームに勝っただけという、うがった見方もできる。したがって、優勝候補にも挙げられる横浜F・マリノス戦との一戦は、現状の鹿島の力を推し量るうえでの注目マッチと言えた。

 本音を言えば、新生・鹿島の戦いを詳しく理解しているわけではなかった。ただ、試合が始まればすぐに、大きな変化が生まれていることをうかがい知れた。

 ひと言で表せば、「インテンシティが高く、縦に速いサッカー」だ。ハイラインを敷く横浜FMが相手だったこともあっただろうが、上田と鈴木優磨の2トップの能力を生かすべく、シンプルに裏を突いて相手を押し込む狙いが見えた。

 ただし、シンプルでも単発には終わらない。

 意図した形なので再現性が高く、高い位置でのボール奪取やセカンドボールの回収を機に相手陣内に攻め入った際には、5人、6人とゴール前に攻め入る迫力も備わった。その分、カウンターを浴びる機会もあったが、素早いトランジションや最終ラインの対応力の高さもあり、致命的なピンチを招くシーンは少なかった。

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