日本人No.1の司令塔は誰か。元日本代表「10番」名波浩がベスト10を選んだ【2021人気記事】 (3ページ目)
名波氏にとって「憧れの存在」という澤登正朗(中央)。photo by (C)Shinichi Yamada/AFLO SPORTこの記事に関連する写真を見る5位 澤登正朗(元清水エスパルス)
自分にとって、憧れの存在。左右のCKを左右別々の足で蹴り分ける選手なんて初めて見たから。
自分が小学生だった頃、大榎克己さんのことがサッカー誌で「スケールの大きなMF」と紹介されているのを読んで、当時は「どういう意味だ?」って思っていたけれど、ノボリさんを見て、その意味が理解できた。左右両足の技術の高さやスルーパスだけでなく、サイドチェンジとか、ミドルシュートとか、ダイナミックなプレーを躊躇なくやれる選手が「スケールが大きい選手」なんだな、と。
だから自分も中学時代、ノボリさんのプレーを見て、サイドチェンジを練習するようになった。ノボリさんがボールを蹴る時のフォームも好きだった。
あとはFK。止まっているボールを蹴る技術も高かった。Jリーグ通算85ゴールは本当にスゴい。
4位 中村憲剛(元川崎フロンターレ)
憲剛のスゴいところは、何と言っても空間認知だ。鄭大世とか、ジュニーニョとか、速いFWにグラウンダーのパスを出してきたから、そういうことが得意に思われがちだけれど、浮き玉のラストパスがうまい。伸二同様、ボールをフワッと落とす技術は抜群だ。歴代日本人選手でもトップクラスだと思う。
あとはサイドチェンジ。風間八宏監督の時のショートパス主体の川崎フロンターレで、ボールの距離を変えるのはだいたい憲剛だったから。憲剛に1試合70回以上ボールを触られたら、どんどん局面を変えられてしまうから、川崎に勝つには、とにかく憲剛へのパスを寸断するしかなかった。
それに、憲剛はパスを出したあとも足を止めずに動いているから、点も取れる。嗅覚というより、ゴールへの執着心を併せ持った司令塔だった。あまりPKを蹴っていないのにJリーグ通算74ゴールが、それを表している。
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