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ベストヤングプレーヤー賞は海外移籍への切符。2020年・瀬古歩夢、2021年・荒木遼太郎も続くか

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 かつては「新人賞」と呼ばれ、2010年からは対象条件と名称が変更された「ベストヤングプレーヤー賞」。今シーズンのJリーグアウォーズでそれを受賞したのは、プロ2年目の19歳、鹿島アントラーズの荒木遼太郎だった。

 狭いスペースにおける繊細なボールタッチとクイックネス。自らゴールを決める能力とラストパスを供給するセンスも兼ね備える荒木は、リーグ戦で36試合に出場してそのうち27試合に先発。プレータイム2291分で10得点7アシストを記録した。

鹿島の13番を託された19歳の荒木遼太郎鹿島の13番を託された19歳の荒木遼太郎この記事に関連する写真を見る コロナ禍により昨シーズンから10代の選手の台頭が目立つJリーグのなかでも、これだけのパフォーマンスと結果を残した荒木がベストヤングプレーヤー賞に選ばれたことに、もはや異論はないだろう。先日発表された森保ジャパンのメンバーに唯一10代の選手として選出されたことが、その活躍ぶりを証明している。

 いまや明るい未来しか見えない荒木だが、あらためて過去のベストヤングプレーヤー賞の受賞者を振り返ってみても、いかにこの賞がその選手の将来に向けた"保証書"になっているかがよくわかる。

 たとえば2010年以降の受賞者で、日本代表キャップを記録していない選手は2名のみ。2014年に外国人選手として初めて受賞したカイオ(鹿島アントラーズ/シャールジャ)を除けば、昨シーズンの受賞者の瀬古歩夢(セレッソ大阪)だけだ。

※選手名のあとのカッコ内は(受賞当時の所属チーム/現所属チーム)

 ただ、その瀬古は今夏の東京五輪メンバーでもあるうえ、今回の日本代表メンバーにも名を連ねている。A代表デビューは時間の問題で、つまりベストヤングプレーヤー賞は日本代表への架け橋とも言えるだろう。

 さらに言えば、この賞の受賞者は例外なくその後に海外へと羽ばたいており、その面々は豪華絢爛。そういう意味では、「海外移籍の切符」にもなっているのだ。

 まず2010年の受賞者である宇佐美貴史(ガンバ大阪)は、ドイツの"名門中の名門"バイエルン・ミュンヘンから声がかかった。翌年6月には買い取りオプションつきのローン移籍を果たし、そのキャリアを大きくステップアップさせている。

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