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熾烈なJ1昇格争い。先進的なサッカーに挑むヴァンフォーレ甲府の可能性は? (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 0-1から一度は追いついたゴールなどは、相模原が前からボールを奪いにきたところをショートパスではがし、右サイドへボールを展開。そこからのクロスがFWウィリアン・リラのゴールにつながった。

 甲府の武器が出た鮮やかなゴールではあったが、「1点とるとホッとするというか、落ち着いてしまう。畳みかける勢いが大事」と泉澤。試合中、時折激しさを増す降雨に、文字どおり水を差された部分もあったのかもしれないが、何となくリズムに乗り切れない試合となってしまった。

 このところ6試合続いていた無敗記録(4勝2分け)もストップ。順位のうえでは6位をキープも、昇格圏内となる2位との勝ち点差は開いてしまう結果となった。

 しかしながら、甲府がピッチ上で繰り広げるサッカーは先進的で、その挑戦は実に興味深い。

 泉澤が言うように、やや勢いに欠ける部分はあるのだろうが、裏を返せば、かなり独自の色が強いスタイルに挑戦しながら、大崩れしていないとも言える。

 今季J2は、まだ全日程の3分の1以上を残しており、さらに練度を高めていけば、甲府がJ1昇格を手にする可能性は十分にある。

 勢いよく先頭に飛び出すわけではないが、先頭集団の後方にピタリとつけ、スキあらばと上位進出をうかがう。

 昇格を争う他クラブにとって、間違いなく不気味な存在のはずである。

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