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川崎フロンターレらしさの詰まったゴール。4人はどう連動して崩したか (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

◆識者5人が「J1全順位」をガッツリ予想。川崎を上回る優勝候補が出た>>

Answer
裏につくられたスペースに山根が走り込み、パスを呼び込んだ

 4人の選手が見せた質の高いコンビネーションは、まさに川崎らしいシーンだった。

家長、田中の動きでできたスペースに後ろから山根が走り込み、パスを呼び込んだ家長、田中の動きでできたスペースに後ろから山根が走り込み、パスを呼び込んだ 中央の脇坂が右サイド際へ動いて幅を取り、そこへ横浜FMの畠中慎之輔が釣り出されたところからシーンはスタートする。脇坂へパスを出した家長がインナーラップでティーラトンを引き連れ、空いたスペースに田中が扇原貴宏を引き連れながらパスを受けに来た。

 脇坂、家長、田中と3人が相手を動かしたことで横浜FMの守備陣形は崩れ、ペナルティーエリアには大きなスペースが生まれた。本来なら横浜FMはチアゴ・マルチンスがスライドしたいところだが、川崎はゴール前にレアンドロ・ダミアンが待っていた。

 そして3人がつくり出したスペースに猛然と走り込んだのが、川崎の山根視来だ。山根が3人を追い越してスペースから裏へ抜け出すと、脇坂が浮き球のパス。それを山根がヒールキックでゴール前へ折り返すと、家長がダイレクトボレーで先制点を挙げた。

 脇坂のボールは決してイージーなものではなく、山根のヒールでの折り返しは難しいプレーだった。さらに家長のボレーも、ふわりとした上空からのボールを、あれだけ綺麗にミートするのは簡単ではない。

 スペースをつくる質の高いコンビネーションから、最後の高度なフィニッシュワークまで、王者の強さが健在であることを見せつける今季のJ初ゴールだった。

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