埋めようがない大きな穴を抱えたレイソルの憂鬱。オルンガの代わりは...

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 柏レイソルが今季初勝利を手にした。

 J1開幕戦でセレッソ大阪に0-2、ルヴァンカップのグループリーグ初戦では横浜FCに0-1といずれも完封負けを喫し、連敗スタートとなっていた柏。しかし、湘南ベルマーレをホームに迎えたJ1第2節で2-1と勝利し、ようやく勝ち点3を手にした。

 柏が先制するも湘南が追いつき、再び柏が勝ち越す。スコアの推移と同様、内容的にも一進一退の攻防が繰り広げられたなかで「今後リーグ戦を戦っていくために非常に重要な勝利」(柏・ネルシーニョ監督)だった。

2ゴールを決めてチームの勝利に貢献した呉屋大翔2ゴールを決めてチームの勝利に貢献した呉屋大翔 そんな厳しい試合で柏に勝利をもたらしたのが、柏の背番号19、FW呉屋大翔である。

 1点目は頭で、2点目は左足で、どちらも右サイドからのクロスにうまく合わせ、チームの全得点を決めた。殊勲の2ゴールにも、呉屋は落ち着いた口調で語る。

「開幕戦はアクシデントがあって(前半途中で)代わったし、ルヴァンカップもこれといったチャンスはなかった。ボールさえ合えば(ゴールを)決められる感覚はあったので心配はしていなかった」

 だが、呉屋の働きは点を取ったことだけではないと話すのは、ネルシーニョ監督だ。

「今日(湘南戦)に関しては点を取ってくれたが、点を取れないときでも戦術的に非常に重要な役割を担っている。今までもしっかりやってくれているが、これからも引き続きチームのために、点を取ることもそうだし、戦術的なところも遂行してもらいたい」

 前線からボールを追い、湘南の攻撃を制限する積極的な守備を仕掛け、マイボールとなったあとは相手DFに競り勝って、カウンターの起点となり続ける。

「今日に関しては1トップだったので、特に前半は、僕が起点にならないと攻撃が始まらない」

 そう語った呉屋は、汗かき役としての仕事にも労を厭わなかった。

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